シマンテックが「ノートン」シリーズの最新版発表、マルチデバイス対応ライセンスも導入

「ノートン」シリーズは今回からバージョンフリーとなり、新機能などのアップデートが随時提供される形となった。

» 2012年09月19日 19時13分 公開
[國谷武史,ITmedia]
最新版パッケージを発表するシマンテックの吉田一貴氏

 シマンテックは9月19日、個人向けセキュリティソフト「ノートン」シリーズの最新版を発表した。ダウンロード販売を同日から、店頭販売を21日から開始する。

 今回発表したのは、統合セキュリティ対策機能とオンラインバックサービスの「ノートン 360」、統合セキュリティソフトの「ノートン インターネット セキュリティ」、ウイルス対策の「ノートン アンチウイルス」の3製品。今回の製品から「20XX」といったバージョン表記が廃止された。今後は新機能などのアップデートが随時提供される形となる。また、アップデートなどの際にPCを再起動することも不要になった。

 セキュリティ対策機能では新たに「Webインサイト」というネット詐欺対策機能を搭載する。同機能は、スパムメールやSNSの不正メッセージなどから詐欺サイトなどに誘導されるのを防ぐもの。ユーザーがWebサイトにアクセスする前に同社のデータベースに照会し、Webサイトの存続期間やアクセス数、個人情報の入力の有無といった情報をもとに不正サイトかどうかを判別する。詐欺サイトは存続期間が短く、個人情報の提供を不必要に要求するなどの特徴があるという。

怪しいWebサイトにアクセスしようとすると、「Webインサイト」(英語版では「Scam Insight」)が先回りして危険性を評価。問題が無いと判断すれば、そのままアクセスできる

 また、不正侵入防止や振る舞い分析、レピュテーション(評判)分析、ファイル分析といったマルウェア検出のためのエンジン群を強化。マルウェアによって破壊されたシステムを修復する機能も新たに搭載する。このほか、各製品はWindows 8やOS X Mountain Lionに対応。ユーザーのコンソール画面は、Windows 8のタイル型UIを意識したシンプルなデザインを採用した。

Windows 8を意識した新たなユーザーインタフェース

 ライセンスではノートン 360に、WindowsやMac、Androidの各OSを搭載するデバイスを3台まで自由に組み合わせて1年間利用できる「ノートン 360 マルチデバイス」を提供する。Windowsではノートン 360、Macではノートン インターネット セキュリティ Mac版、Androidではノートン モバイル セキュリティの各パッケージを利用する形となる。他社では実質的にデバイス数無制限というライセンスもあるが、同社の調査では1人のユーザーが所有するデバイス数は、平均3台であることが分かり、「現実的な利用環境に即したライセンス」とのことだ。

 販売価格はノートン 360 マルチデバイスが8980円、ノートン インターネット セキュリティが6480円(1年でPC3台利用可能)、ノートンアンチウイルスが4980円(同)となる。

 コンシューマーマーケティング統括本部長の岩瀬晃氏は、同社が今月上旬に発表したオンライン犯罪調査レポートを引用し、日本のネットユーザーの状況を解説。例えば、SNSでの犯罪経験は世界平均に比べると少ないものの、セッションをログアウトしないことや、リンクを共有する前にリンク先を確認しない、自身の情報公開設定が分かっていないといったユーザーの危険な行為が多いことが分かった。セキュリティレベルの高いパスワードの利用なども世界平均より少なく、「今後はネット犯罪に巻き込まれる危険性が高い傾向にあることが分かり、セキュリティソフトを活用して自分を守ってほしい」と呼び掛けた。

世界24カ国の約1万3000人を対象に実施した調査の日本での結果(サンプル500人)

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