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» 2012年10月10日 08時00分 公開

「感動」を創造するオフィスとは? 日立の新社屋レポート

2012年6月に竣工した日立 ITプラットフォーム事業本部の横浜事業所は、エコの意識やコミュニケーションを高める取り組みが盛り込まれているという。

[ITmedia]

 日立製作所(日立)が9月27日に報道陣に対して公開した横浜事業所新建屋は、同社ITプラットフォーム事業本部の中核となる拠点だ。横浜市や川崎市にのべ3カ所存在していた開発拠点を統合するかたちで、6月10日に横浜市戸塚区に竣工し、この7月30日から業務が開始されている。

日立ITプラットフォーム事業本部の横浜事業所新建屋。屋上には新型の太陽光発電パネルと、採光のために設けられた吹き抜けが見える

 敷地面積を東京ドームに換算すると約4.4個分(20万6400平方メートル)に達し、事務所棟の延床面積だけでも1個分に相当する建屋では、およそ3500人の職員が日々在勤することになる。

まだ導入例が少ないという太陽光発電パネル。裏面でも照り返しを受け、電力に変換する

 拠点の集約には、同事業本部が扱うサーバプラットフォームの検証効率を高めたり、ソフトウェア開発の品質を向上するという目的もあるだろうが、昨今のオフィスに求められる要素にも十分配慮しているようだ。具体的には「エコ」と「コミュニケーション」である。

 建屋の屋上には両面採光型の太陽光発電パネルが一面に設置されている。一般的なパネルは表面で受けた太陽光を電力に変えるが、今回採用したパネルは照り返しの光も電力に変換するもの。「国内でも採用がまれ」(日立広報)な太陽光発電パネルだといい、実際の発電量はオフィス内に設置されたデジタルサイネージで社員に共有されるという。

 屋上には「4つの大きな穴」が空く構造になっている。フロアの採光を平均化することが主目的だ。一般的な建物では、窓際がもっとも日当たりがよいため、フロア中心では照明で明るさを補う必要がある。対して横浜事業所では、4つの吹き抜けを設けることで明るさのムラを排除した。空間上には、太陽の位置を自動認識し効率よく吹き抜け内に日光を反射する移動式ミラーが設置されており、吹き抜けの採光効果をより高めている。

太陽光を反射する移動式のミラー。ヒマワリのように自動で太陽の向きを追う

 執務空間に対する配慮は、採光だけではない。職場環境を「新しい価値を創造する場所」と位置付け、部門の壁にとらわれずコミュニケーションできるようなレイアウトが施された。その背景には同社が「顧客経験価値」と定義するUXデザインの考え方がある。

 特徴的なのは、同社が「創造の大通り」と呼ぶパブリックスペースだ。執務スペースを貫くよう設置されたスペースには、テーブルやチェアが設置され、行き交う職員が自由にミーティングを行っている。ユニークなのは持ち運べるホワイトボードだ。「場所や時間を変えて打ち合わせの続きをするのに便利」(日立広報)だという。

「創造の大通り」ことコミュニケーションスペース

 既に述べた吹き抜け構造は、コミュニケーションの円滑化にも一役買っている。通常、フロアを移動する際はエレベーターホールを経由する必要があるが、吹き抜け部にらせん階段を設けることで移動をスムーズにした。最下層は、ソフトボールのダイヤモンドを模したスペースとなっている(同事業本部の女子ソフトボール部は北京五輪にも複数の選手を送り込んだ名門である)。なお日立では今回の事業所移転をひとつの機に、ITの価値提供を「機能」から「感動」に変えていく取り組みを進めるという。

吹き抜け最下層はダイヤモンドを模した空間に

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