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» 2013年01月04日 08時00分 UPDATE

2013年新春特集 「負けない力」:データから何ができるか見えてくる――EMCジャパン・山野社長 (1/2)

多種、大量の「ビッグデータ」をビジネスに活用する動きが注目を集めるようになった。ITと人材の両面からこの普及に取り組むEMCジャパンは、ビッグデータ活用が企業の「負けない力」になるよう注力していく。

[聞き手:國谷武史,ITmedia]

 「ビッグデータ」と呼ばれる多種、大量のデータを分析し、ビジネスに結び付く情報を手にする――2012年はこの取り組みがITの新たな潮流となり始めた。ビッグデータ活用でいち早く技術と人材の両面からその普及に取り組むEMCジャパンの山野修代表取締役社長に、2012年の顧客企業の動向や2013年の展望を聞く。

データの保護と活用の基盤整備

―― まず2012年の事業全体に対する印象をお聞かせください。

山野社長 山野修代表取締役社長

山野 ストレージビジネス全体でみると、ビッグデータや情報の拡大、事業継続への対応といった市場の動きが注目されました。ビッグデータに関しては、まだ「ためる」というニーズの方が大きく、当社の製品ではスケールアウト型NASの販売が伸びています。大企業では数百テラバイト、数ペタバイトという大容量のストレージシステムを導入するケースもありました。従来のユーザーは研究分野が中心でしたが、昨年は製造業のCAD/CAMデータやゲーム、コンピュータグラフィック、地理情報といった新しいところでビッグデータが使われ始めています。

 2011年の大震災以降、事業継続計画の見直す企業も引き続き多いですね。昨年は金融や製造業を中心に、システムやデータのバックアップ体制の強化に取り組む企業が目立ちました。特にデータセンターへの投資は活発です。これまで1カ所だったデータセンターを複数拠点で運用する企業やサービスプロバイダーが増えています。データセンターが1つだけでは危ないのでデータを保護するためにバックアップサイトを増設する、あるいは、クラウドのホスティングサービスも利用する。そのため、サービスプロバイダーによるデータセンターの建設ラッシュが続いています。

 また、昨年前半からVDI(仮想デスクトップ基盤)を導入する動きも加速し、大規模導入が本格化しました。スマートデバイスの普及なども背景にあると思いますが、VDIのためのリソースを集約、管理する基盤としてもクラウドは最適な選択肢になっているようですね。

―― 企業のビッグデータ活用はどこまで進んできましたか。

山野 「ビッグデータ」は、以前にはバズワードのように扱われてきましたが、今では経営層もこの言葉にとても敏感になり、「そろそろ、うちも取り組まなければ……」という機運が高まってきています。「クラウドよりも経営に直結するのではないか」というビッグデータへの期待がこの1年でかなり広まりました。ただし、関心は非常に高いのですが、それでは何をしようかという話になると、途端に「?」となってしまうところも少なくない。「ただやりたい」という企業もあれば、「えっ!」と思わず驚いてしまうような企業がビッグデータの活用プロジェクトを立ち上げるというケースもあります。

 当社ではそのための支援活動として、昨年春に「データサイエンティスト」というデータ分析に長けた人材を育成するためのトレーニングプログラムを開始しました。2012年は5回開催しましたが、有償であるにも関わらず受講希望者が非常に多いですね。ワークショップも昨年は2回開催して、それぞれ200人近い参加者がありました。やはり、データ分析への関心が確実に高まってきていると感じます。

 ビッグデータ活用を支援するコンサルティングサービスも提供しているのですが、今多いのは社内にデータサイエンティストを置くことを目的にしたプロジェクトや、ビッグデータ活用プロジェクトを立ち上げるための支援を要望されるケースです。既に数社で支援を開始していますが、当社がデータの分析などを支援するより、企業の中でデータの分析や活用をできる人材や環境を整備し、それを確実に動かしていくための支援が求められています。

―― ビッグデータの利用目的などが具体的になっているということでしょうか。

山野 経営者やマーケティングといった立場の人は、「こういう顧客が売上につながるのではないか」とか「こういう商品が売れ筋になるのではないか」と、常に仮説を立てながら仕事をしています。ただ、従来はその仮説を検証したり分析したりする手段が無かった。

 それがビッグデータなら、何かできるのではないか期待している。経営課題のゴールへの道筋も、以前はそこへたどり着くための手だてすらなかったわけですが、いろんなデータを集めて分析してみれば、たどり着ける可能性が出てきた。社内にデータが無い場合でも、SNSなど外部のデータを活用して社内のデータを結び付けみれば顧客の動きを知ることができるかもしれない。そういった期待を持ち始めているわけです。

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