ニュース
» 2013年01月28日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:NECが打ち出す垂直統合型システムの正体

NECが今春にもハードウェアやソフトウェア、ネットワークを一体化した垂直統合型システムを市場投入する。果たしてどんなものか。同社のキーパーソンを直撃取材した。

[松岡功,ITmedia]

競合他社には見られないユニークな戦略

 「多様な業種業態のニーズに合わせて導入後すぐに使っていただけるような垂直統合型プラットフォーム製品群を間もなく市場投入する」

 NECのプラットフォーム事業を統括する庄司信一執行役員が先週、直撃取材に対してこう明らかにした。垂直統合型システムはすでに大手ベンダー各社が戦略製品を市場投入しているが、PCサーバやネットワークに強みを持つNECがどのようなものを打ち出すのか、注目されるところだ。

 NECのプラットフォーム事業を統括する庄司信一執行役員 NECのプラットフォーム事業を統括する庄司信一執行役員

 早ければ今春にも市場投入されるNECの垂直統合型システムの中身は、庄司氏によると、同社独自の技術や製品とパートナーの有力な汎用製品を組み合わせて新たな付加価値を生み出すことを狙いとしたソリューション型プラットフォーム製品で、「とくに中堅・中小企業向けを中心に業務アプリケーションもあらかじめ組み入れた製品群を打ち出すことで、競合他社との差別化を図っていきたい」と強調した。

 正式な発表の前ということで、庄司氏は「製品内容もビジネス形態も、まだまだこれから詰めるところが少なくない」として詳細は明らかにしなかったが、中堅・中小企業を対象とした業務アプリケーションも組み入れた垂直統合型システムを打ち出すのは、競合他社には見られないユニークな戦略といえる。

 ちなみに、NECにとって競合となる大手ベンダー各社が現在提供している垂直統合型システムとしては、米国勢ではOracleの「Exaシリーズ」、HPの「Converged Infrastructure」、IBMの「PureSystems」、国産勢では日立製作所の「Unified Compute Platform」、富士通の「Dynamic Integrated Systems」などが挙げられる。

 後発となるNECだが、陣頭指揮を執る庄司氏の鼻息は荒い。「競合他社の製品は顧客を囲い込もうという思惑が強い」としたうえで、「当社はあくまでも顧客ニーズに沿ってパートナーの有力な汎用製品と組み合わせた最適なソリューションを提案していくことに全力を注ぎたい」と対抗する姿勢をあらわにした。

 庄司氏はさらに、これから打ち出す垂直統合型システムにおけるNECならではのポイントとして、サーバ技術の刷新も挙げた。その具体的な内容は明らかにしなかったが、「当社の中央研究所と連携して新たなアーキテクチャの開発に取り組んでいる。サーバとしての進化にも期待していただきたい」と語った。

C&Cのさらなる進化への挑戦

 NECが垂直統合型システムの商品開発に本格的に乗り出したのは昨年5月。その1カ月前の4月に前職のNECインフロンティア社長からNECのプラットフォームビジネスユニット担当執行役員に就任した庄司氏の号令でプロジェクトがスタートした。

 商品開発にあたっては、5年ほど前から手がけてきたクラウド向けのパッケージ商品を進化させる方向となったが、庄司氏は当初、強い危機感を抱いたという。それはプラットフォームビジネスユニットとして、顧客に向けてソリューションを提案していこうという意識が乏しかったことだ。

 庄司氏によると、「プラットフォームビジネスユニットとしての役割は、プラットフォーム製品として良いものをつくれば、あとはITサービスビジネスユニットのSI部隊が顧客に提供するソリューションにしてくれると。それが役割分担だという意識が強かった」という。

 だが、そうした役割分担に安穏としていると、顧客が求める垂直統合型システムを生み出すことはできない。プラットフォームビジネスユニットが自らソリューションを提案する姿勢で商品開発を進めないといけない。庄司氏はそう強く感じてプロジェクトを立ち上げたという。

 さらに、このプロジェクトを進めていくうえで、プラットフォームビジネスユニットの組織内にも障壁が立ちはだかっていた。それは、同組織内にある各事業部隊の間でセクト意識がまだまだ根強く残っていたことだ。

 プラットフォームビジネスユニットは、ITハードウェア、ITソフトウェア、企業ネットワークといった3つの事業が柱となっている。NECは歴史的背景として、IT部門とネットワーク部門はそれぞれの組織で事業を展開してきたが、プラットフォームビジネスユニットが設けられたのを機に現在の組織形態となった。

 しかし、庄司氏からみると、組織は一緒になっても各事業部隊がそれぞれに部分最適を図り、ビジネスユニットとしての全体最適を目指す意識は必ずしも高くなかったという。垂直統合型システムの商品開発プロジェクトは、その事業部隊間の障壁を取り払う狙いもあったわけだ。このことはNECにとって非常に重要な意味を持つ。その意味を庄司氏がこう説明してくれた。

 「間もなく打ち出す垂直統合型製品は、ITとネットワークの両分野の営業および販売パートナーに扱っていただくものにしなければいけない。それは取りも直さず、NECが掲げてきたC&Cをさらに進化させた“CC”を具現化したものとなる。商品開発プロジェクトはその思いで取り組んでいる」

 C&Cのさらなる進化への挑戦となると、NECにとっては負けられない戦いである。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ