Windows 8.1

【新連載】去りゆくXPよ、君はどんな存在だったのかさよならWindows XP、そしてWindows 8.1へ(1/2 ページ)

2014年春にサポートが終わるXP、そして、最新のWindows 8.1の登場は、OSの歴史にとって大きな転換点になるかもしれない。XPが残したものと最新OSがもたらす世界とは何か――新連載の第1回はXPの歴史を振り返る。

» 2013年11月07日 08時00分 公開
[山本雅史,ITmedia]

 Windows 8.1がリリースされ、社内での利用を前提に検証を進めている企業も多くなっている。特に、2014年4月9日にはWindows XPとOffice 2003の製品サポートが終了する。このため、多くの企業では、Winodws XPからの移行を検討する時期に来ているのだろう。そこで、Windows XPから新しいOSへの移行をどう考えていくのか、BYOD(Bring Your Own Device)やタブレット、スマートフォンなどの新しいトレンドにどのように対応して、新しいITシステムを構築していくのかが問題になってくる。

XPの製品サポート終了ってどういうこと?

 多くの企業にとって切羽詰まってきているのが、Winodws XPとOffice 2003の製品サポート終了が近づいてきていることだ。サポート終了の日時は2014年4月9日(日本時間)と、まだまだ時間があるように感じるが、この期限を一つの目標として、PCのリプレースやクライアントOSの移行、Windows XPで動作しているアプリケーションが新しいOS上で動作するのかの検証、もし動作しないとすればアプリケーションの改修などをどうするのかなどを考えればほとんど時間が無くなっているといってもいいだろう。

Windows XPのサポート終了までのスケジュール(MicrosoftのWebサイト)

 Windows XP/Office 2003の製品サポート終了ということは、どのようなことだろうか? Windows XPやOffice 2003用に提供しているセキュリティ更新プログラムの提供が停止されるということだ。2014年4月9日になったからとしても、企業内で使用しているWindows XPのPCやOffice 2003が直ちに動作が停止して、使えなくなるということではない。別に2014年4月9日を越えても、問題なくWindows XPやOffice 2003はそのまま利用できる。

 しかし、この日以降セキュリティ更新プログラムは提供されないため、Windows XPやOffice 2003などで見つかったセキュリティホールがそのまま放置されることになる。企業にITシステムにとっては、セキュリティ上の大きな問題点を抱えることになる。

 それよりも大きな問題は、サードパーティを含めて、Windows XPがサポートされなくなっていくことだ。例えば、アンチウイルスなどもWindows XPのサポートを止め、ウイルス定義ファイルのアップデートを行われなくなるかもしれない。また、新しく発売されるアプリケーションでは、Windows XPのサポートが外れていくだろう。

 つまり、Microsoftが製品サポートの終了を打ち出すということは、OSだけでなく、全ての面において、Windows XPが古いOSとなり、Windows 95やWindows 2000のように徐々に世の中から消えていくことになるのだろう。

 Microsoftでは製品のサポートを「メインストリーム」と「延長サポート」の2種類に分けている。メインストリームは、製品の発売後、最低5年間のサポートが提供されている。その後、最低5年間の延長サポートが提供され、製品ライフサイクルとしては10年間のサポートが提供されている。

 メインストリームにおいては、セキュリティ更新プログラムの提供、無償/有償サポートなどが提供されているため、コンシューマーなどにおいては、メインストリームの期間が製品のライフサイクルと感じられるだろう。今までは、4年ごとにWindows OSやOfficeのメジャーアップデートが行われていたため、5年経つと、多くのPCではプレインストールモデルとしては新しいOSに移行している。

 延長サポート フェーズではセキュリティ更新プログラムの提供は行われるが、有償サポートだけが提供されるようになる。ある意味、企業が新しいOSやOfficeに移行するための時間を提供する暫定的な期間といってもいいだろう。

Microsoftの製品サポートのフェーズ。メインストリーム5年間と延長サポート5年間の合計10年間が、ほとんどの製品でのサポート期間となる(同)
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