優れた「人材」を武器に観客を呼び込む米大手映画館チェーンIBM Connect 2014 Orlando Report(1/2 ページ)

オーランドのIBM Connect 2014は2日目を迎えた。Notes/Dominoが今年のジェネラルセッションで語られることはついになく、主役の座はKenexaに取って代わられた。ステージには、Kenexaを活用して成果を上げているAMC Theatresの前チーフ・ピープル・オフィサーが登場した。

» 2014年01月29日 08時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
Kenexaの創業者、ルディー・カーソン氏

 米国時間の1月28日、フロリダ州オーランドで開催中の「IBM Connect 2014」は2日目を迎えた。今年から「Kenexa World Conference」を併催していることもあり、午前のジェネラルセッションは「より良い組織づくり」がテーマとなった。

 IBMがクラウド型の人材管理アプリケーションと人事に関するコンサルティングサービスを提供するKenexaを買収したのは2012年。SAPが2011年末にSuccessFactorsを買収したことによって火がついた業界の再編は、OracleがTaleoを、そしてIBMがKenexaを手に入れたことで一気に進んだ。ビジネスにおける人材の重要性はもちろんだが、こうした大手ベンダーの相次ぐ参入も人材管理を一躍ホットな市場にしている。

 余談だが、Notes/Dominoが今年のジェネラルセッションで語られることはついになかった。クラウド化が進み、アナリティクスと組み合わせることでさらなる成長が見込めるKenexaに追いやられた格好だ。

フォーカスすべきは、あなたの「使命」

 この日のジェネラルセッションでもトップバッターは、Kenexaの創業者、ルディー・カーソン氏だった。

 「貧困や疾病の問題も解決され、より良い世界になりつつある中、仕事でもなく、家族でもなく、今一度あなた自身について考えてほしい。何をなすためにあなたは生まれてきたのか」とカーソン氏。ITのカンファレンスにしてはやや場違いに感じられた問い掛けだったが、彼はさらに畳み掛ける。

 「もちろん人材管理のツールはあるが、そこにエネルギーを費やしてしまうのではなく、あなたは何によってモチベーションが高まるのか、そして、どんなときに生きている実感を得られるのかを考えてほしい。フォーカスすべきは“使命”だ」(カーソン氏)

 もちろん、Kenexaは宗教ではない。同社はフォーチュン500の企業の半数以上を顧客に持ち、その数はIBMによる買収時点で8900社以上に達しており、彼らはKenexaの科学的なアプローチによって、より良い組織づくり、という成果を上げている。この日のジェネラルセッションに登場したAMC Theatresもその1社だ。

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