IBM、赤字の半導体事業を15億ドル支払ってGLOBALFOUNDRIESに譲渡

IBMは、1月のx86サーバ事業のLenovoへの売却に続けて、半導体事業のGLOBALFOUNDRIESへの売却を発表した。半導体研究は継続するが、クラウド、モバイル、ビッグデータへのシフトを加速する。

» 2014年10月21日 08時36分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米IBMは10月20日(現地時間)、不採算の半導体事業を米半導体メーカーGLOBALFOUNDRIESに譲渡することで合意に達したと発表した。

 IBMはこの取引により、抜本的な半導体研究、将来に向けたクラウド、モバイル、ビッグデータ解析、セキュアなトランザクションシステムの開発に集中できるとしている。同社は以前発表した向こう5年間に30億ドルを投じる半導体技術研究は継続するという。

 同社は1月にはx86サーバ事業を中国Lenovoに売却すると発表している。

 GLOBALFOUNDRIESは米国にある半導体工場およびその従業員、知的財産を獲得する。同社は今後10年間、IBMにサーバ用半導体を供給する。

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 IBMはGLOBALFOUNDRIESに対し、総額15億ドルを今後3年間で支払う。これは、約2億ドルに上るとみられる運転資本の調整に充当されるもの。IBMは15億ドルの支払いを含めた売却関連費用を7〜9月期に47億ドル計上する。

 IBMが同日発表した第3四半期(7〜9月)の業績は、売上高は前年同期比4.0%減の223億ドル、純利益は99.6%減の1800万ドル(1株当たり0.02ドル)の減収減益だった。事業売却などの影響を除いた非GAAPベースの純利益は18%減の37億ドル。バージニア(ジニー)・M・ロメッティ会長兼CEOは発表文で「われわれはこの業績に失望している。この結果は、業界における空前の変化の影響を受けたものだ。(中略)われわれは新たな分野への事業シフトを加速していく」と語った。

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