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» 2015年02月13日 08時00分 UPDATE

政府も支援に本腰:インドネシアに“活路”を見出すNEC、3つの理由 (1/2)

インドネシアの現地企業を対象としたプライベートイベントを開催したNEC。アジア太平洋地域の本社を置くシンガポールではなく、インドネシアを開催地に選んだ背景には、同社がインドネシアに寄せる期待の大きさがうかがえる。

[池田憲弘,ITmedia]
photo NEC 代表取締役執行役員社長 遠藤信博氏

 NEC、富士通、日立といった国内大手ITベンダーが、東南アジアでの新ビジネス開拓に積極的だ。現地法人の設立や実証実験はもちろんのこと、アジア市場に理解のある人材を役員に任命する動きもあり、各社の“本気度”がうかがえる。グローバル化の急速な進展や人口減少による内需縮小で、国内市場だけではいずれ行き詰まるという危機感もあり、海外事業を伸ばすことが課題となっているのだ。

 各社が狙うのは社会インフラの整備事業だ。経済発展とともに、物理的なインフラは整いつつあるものの、インフラを支えるシステムやソリューションが追いついていない。ここに巨大なビジネスチャンスがあるという。

 特にNECはアジア地域への注力を強く押し出している。2013年に発表した「2015中期経営計画」で、アジアへの注力と現地主導型ビジネスの推進を掲げ、シンガポールにセキュリティ関連事業の拠点「グローバルセーフティ事業部(GSD)」を設置。現地での導入事例も増やしている。

 同社は今後、東南アジア地域でビジネスを展開していくにあたり、インドネシアに注力するようだ。その理由はなぜか。そして、どのようにビジネスを展開していくのか。2月10日(現地時間)にインドネシア・ジャカルタで行ったプライベートイベント「NEC INNOVATIVE SOLUTION FAIR 2015」で、遠藤社長が狙いと展望を語った。

NECがインドネシアに注目する3つの理由

 同イベントは、アジアパシフィック(APAC)地域で毎年行っているもので、現地法人との関係性を築くためのものだ。今回、NECが開催地にインドネシアを選んだのには3つの理由がある。まずは同国の経済的なポテンシャルだ。

 現在、インドネシアは人口ボーナス期(全人口に占める、15〜64歳の生産年齢人口の割合が増えていく状態)を迎えており、経済成長や市場拡大が2030〜2040年くらいまで見込める状況だ。「GDPの増加率も2010年以降、6%前後で推移しており、このままGDPが増え続ければ2030年には世界7位の経済大国になるという調査も出ている」と遠藤社長は話す。

 2つ目は政権交代による政策の変化だ。インドネシアは2014年10月、ジョコ・ウィドド氏が大統領に就任し、10年ぶりに政権が交代した。ジョコ氏はインフラの整備に注力する姿勢を打ち出しており、スカルノ政権時代から続いていた、燃料補助金制度(石油製品の販売価格を抑えるための補助金)を廃止している。

photo NECアジアパシフィック CEOの松木俊哉氏

 廃止した補助金はインフラ開発などの資金にあてる予定で、その額は「2兆円程度」(NEC 中華圏・APAC本部 本部長 塚本武氏)という。同国の歳出規模が約16兆円(2014年)ということを考えれれば、決して少ない額ではない。インフラ整備を急ぐ背景には、深刻化する交通渋滞や電力需給のひっ迫などがある。急激な経済成長を遂げている一方で、こうした問題が成長のボトルネックになりつつあるのだ。

 最後にNECのインドネシアにおける、ビジネス展開の変化が挙げられる。NECは長らく同国でテレコムキャリア事業(ネットワーク構築支援など)を展開してきたが、「スマートフォンを複数台持つことが当たり前になった現在、事業として頭打ちの状態。今後は政府の支援を背景とした、社会インフラ整備事業に転換していく狙いがある」(塚本氏)という。

 このように政治や経済、NECの事業展開といった状況が重なり、インドネシアでイベントを開催するに至った。NECアジアパシフィックCEOの松木俊哉氏も、イベントで「インドネシアの現地企業とのパートナーシップを深めるタイミングとしては最適だと思っている」とアピールしていた。

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