なぜ、企業向けSNSは“売上アップ”や“ムダの削減”につながるのかエンタープライズ・ソーシャルが働き方を変える(1/2 ページ)

個人の間ですでに浸透している“メールからSNSへの移行”が企業にも広がり始めている。なぜ今、エンタープライズ・ソーシャル(企業向けSNS)が注目されているのか、導入によるどんなメリットが期待できるのか。導入事例から検証する。

» 2015年04月03日 09時00分 公開
[ITmedia]
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 「メールよりLINEやFacebookでしょ」――個人の間ではすでに浸透している、メールからSNSへの移行が、企業にも広がり始めている。なぜ今、エンタープライズ・ソーシャル(企業向けSNS)が注目されているのか――。

 その背景に迫った連載第1回に続き、第2回では、ビートコミュニケーション代表の村井亮氏と日本マイクロソフトの日野成一郎氏の対談を通じて、エンタープライズ・ソーシャルが企業にもたらすメリットを探る。

なぜ、企業向けSNSを導入すると“社内のナレッジ共有”が進むのか

日野氏 ツールとしての「エンタープライズ・ソーシャル」がもたらす価値ですが、大きく3つに分けられると思っています。1つ目は、社員が持つスキルやノウハウ、知見を全社で共有し、生かせるようになる点。2つ目は、必要な情報を得るまでのスピードが格段に向上する点。3つ目は、業務の効率化が図れるようになる点です。

Photo 気軽に情報発信や組織の可視化、組織のノウハウ・情報を発掘できる
Photo 日本マイクロソフトの日野成一郎氏

日野氏 まずは、“情報の全社共有と活用”について見ていきましょう。組織の中には、さまざまなスキルやノウハウを持った人がいます。彼らが持つこうした情報を互いに共有し、最大限に活用すれば、柔軟で強靱な組織が形成されるのではないでしょうか。

村井氏 そうですね。社員一人ひとりが持つ多様な能力や創造性を最大限に引き出して、共有する手助けとなるのが、エンタープライズ・ソーシャルの役割の1つだと考えています。具体的には、どのようにして社員の知恵を活かすことができるのでしょうか?

日野氏 エンタープライズ・ソーシャルでは、(メールアドレスのような)宛先を入れなくても気軽に情報を発信できます。メールと決定的な違いはここにあります。メールは相手を特定しないとコミュニケーションを取ることができません。メーリングリストという手段もありますが、ちょっとしたことだと、“送るほどのことでもない”と思って、そのままにしてしまいがちです。

 このように、これまでは、“みんなと共有したい”と考えていても、誰が必要としているか分からない情報や明確な受け手を持たない情報は、共有されることがありませんでした。しかし、宛先を入れる必要がないエンタープライズ・ソーシャルを導入すると、ちょっとした気づきや疑問を気軽に発信できるようになります。

村井氏 これはエンタープライズ・ソーシャルを使った情報発信の特徴の1つですね。明確な送り手がない投稿に「いいね!」やコメントが付き、それを通して見知らぬ社員の間にもコミュニケーションが成立します。

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