自分の強みをキャリアに生かす方法とは? 才能の“専門家”に聞いてみた今日から自分プロデュース!(1/3 ページ)

世の中には、自分の長所の伸ばし方についてアドバイスし、強みを開発するコーチ「ストレングス・コーチ」という人たちがいるのをご存じですか? 今回は自分の強みをどうキャリアに生かせばいいのか、ストレングス・コーチの森川里美さんに聞いてみました。

» 2015年04月30日 08時00分 公開
[伊藤利江子ITmedia]
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短期集中連載:今日から自分プロデュース!

 忙しい日々の中で「自分って何のために仕事してるんだっけ……」と感じたことはありませんか? 周りの都合に振り回され、目の前の仕事で精一杯。そんな“カオス”な環境に浸っているうちに「自分自身の目標を忘れてしまう」というのはよく聞く話です。

 この連載では、そんなビジネスパーソンに向けて、自分自身の強みやワナを理解し、より“自分らしさ”を生かして仕事をする手助けとなるツールや方法を紹介していきます。


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 「あなたって自分がやりたいようにできないと、すぐにストレスが溜まる方じゃないですか?」「相手に“物事をやらない言い訳”を言われるとイラっとしませんか?」「自分と感覚が近い人と仕事した方が結果を出せるはず」

 とある診断テストの結果を見せるだけで、このように自分自身の性格について、なぜか見透かされてしまう――。そんな人がいるとしたら、「自分も見てもらいたい!」と思いませんか?

 「いやいやそんなバカな。占いみたいなものでしょう?」と思う人もいるかもしれません。しかしここで使うテストは、自分自身の強みと陥りがちなワナを知る診断ツールとして、本連載で何度も紹介してきた「ストレングス・ファインダー」。科学的な根拠もあるのです。

 連載第6回となる今回は、このスゴ腕占い師、もといストレングス・ファインダーの伝道師、ストレングス・ラボ代表の森川里美さんとの対談をお送りします。人の強みを開発するストレングス・コーチとして活動する、森川さんが考えるストレングス・ファインダーの魅力、そして自分の強みをキャリアに生かす方法や、ストレングス・ファインダーの観点からみたチーム作りのポイントについてお話を伺いました。

森川里美(もりかわ・さとみ)さんのプロフィール:

 北海道大学法学部卒。日本能率協会総合研究所で、新商品開発を中心としたマーケティングリサーチに携わった後、1996年から約2年間米国ワシントンD.C.に在住し、異文化コミュニケーションを体験。帰国後、米国の世論調査会社ギャラップ日本支社で、人の強みを発見し人材育成に活用するツール「ストレングス・ファインダー」のコンサルタントとして、外資系企業を中心に人材採用・育成、チームビルディングを実施する。

 2005年にビジネスコーチとして独立。スモールビジネス立ち上げ時のマーケティングサポート、企業のマネージャー層へのコーチング、プロコーチのメンター活動を通して、クライアントのビジネスをサポートしている。


ストレングス・ファインダーを受けるのは30歳になってから?

photo ストレングス・ラボ代表の森川里美さん。ストレングス・ファインダーの上位5つは「コミュニケーション」「活発性」「達成欲」「ポジティブ」「社交性」。本人曰く“記憶容量が少なくて、口から思ったことがすぐ出てしまう感じで24時間365時間働いてしまう”のだとか

伊藤: 私は30歳のときにストレングス・ファインダーを受けましたが、正直なところ「もっと早く自分の資質を知っていれば、あんな苦労はしなかったのに……」と後悔した部分もありました(笑)。一般的に、何歳くらいでこのテストを受けるのがいいのでしょうか?

森川: ギャラップでは“18歳以上”としていますね。とはいえ、個人的な意見で言うと、伊藤さんが受けられた30歳前後が実はベストなタイミングだと思っています。

伊藤: そうなんですか? 20代で受けると何かマズイことがあるとか?

森川: マズいことはないんですよ。でも、ストレングス・ファインダーは、自分の強みを知ると同時に自分ができないことも「やっぱりなあ」と分かってくる面があります。すると苦手な分野について「これは自分の強みじゃないからできない」と逃げる言い訳にもなってしまう。

 20代はまだ自分の可能性を探求して、自分が少しぐらい苦手な分野でも果敢にチャレンジすべき時期ですね。失敗しながらレジリエンス(回復力)を身につけ、自らの強みを開拓していく時期だと思います。逆にこの時期に失敗しないと、40歳前後で大失敗をして立ち直れなくなるという可能性もあるんですよ。

伊藤: 私も20代で失敗する中で「自分にこれは向いてないな」とか「こういう失敗をよくするな」という傾向を感じていました。だからこそ、30歳で受けたストレングス・ファインダーの結果に深く納得したのかもしれません。正直、いろいろな謎が解けてほっとしました(笑)。

森川: 20代でいろいろな挑戦をしてから、30代半ばくらいで一度「ああ、これは本当にできないな」という部分を理解する。まだもがきながら、40代の半ばくらいで本当に「ここだ」という部分で自分の強みを生かすスタイルを決めるのがいいでしょうね。

伊藤: 私は今30代前半ですが「私に“慎重さ”を求めるようなことはやらせないで」と思ってます。とにかくやってみてから考える「活発性」という強みは幼少期からあるせいか、どうも慎重さを意識するのが苦手で……。

森川: 「活発性」をお持ちだとそうでしょうね。20代はとにかく自らの土俵、可能性を広げる時期。生物の進化に例えれば、まだ原始生物の時期ですね。どのように進化をしていくか分からない。

 そこから少しずつ選択肢が絞られるわけですが、例えるなら30代は“動物の種族”がやっと分かるイメージです。「共感性」や「調和性」といった強みを持った“心優しい動物系”の人が「戦略性」や「競争性」なんかを持った“ガツガツ猛獣系”にはなれません、と諦めをつけるような感じ。

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