2015年4月〜6月に際立った脅威は?

1月〜3月期に比べると、ウイルスや不正プログラムの動向に大きな変化がみられる。

» 2015年07月24日 15時25分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)が7月24日に発表した2015年4月〜6月期の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況および相談状況によると、データを“人質”にとって金銭を要求する不正プログラム「ランサムウェア」の脅威が増していることが分かった。

 期間中にIPAに届け出のあったウイルスは772件。感染被害は2件あり、うち1件はランサムウェアの一種「W32/Cryptolocker」によるものだった。

 ランサムウェアは、感染したコンピュータ内のファイルなどを勝手に暗号化し、データを利用できなくしたり、コンピュータの操作を不能にしたりする。ユーザーに「暗号を解除(復号)したいなら金を払え」と脅迫するため、「身代金要求ウイルス」などとも呼ばれる。最近では支払いの手段に、Bitcoinなどの仮想通貨を指定するといった手口も知られている。

 IPAに寄せられたランサムウェアに関する相談件数も、2015年1月〜3月期比で5倍強の31件に上った。このうち27件は、実際にランサムウェアに感染したケースだった。

ランサムウェアに関する相談件数と感染数(IPAより)

 また、期間中のウイルス検出数は1万3683個で、最多は「W32/Mydoom」の1万382個だった。W32/Mydoomの検出数は直近1年間では毎四半期とも5000件前後で推移したが、今四半期は2倍以上に増え、検出数全体の約76%を占めた。外部記録媒体などを介して拡散するW32/Ramnitの検出も前四半期の約0.7%から今四半期は約8.9%に急増している。

 不正プログラムの検出数は8万4483個で、最多のダウンローダーは前期比で約37.5%増加し、前年同期比では約2.35倍も増加した。トロイの木馬も前期比で約8.15倍の増加をみせた。一方、バックドアは前期比で約75.1%減少した。

 この他に、スマートフォンを対象にした「ワンクリック請求」に関する相談が過去最多の348件に上り、前期比で約65.7%増加している。

スマホの「ワンクリック請求」相談が過去最多に(同)

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