ウイルスバスター最新版、Windows 10に合わせて発売

トレンドマイクロが「ウイルスバスター 10」を発表。Windows 10に対応し、クラウドストレージサービス「OneDrive」でのウイルススキャン機能を新たに搭載する。

» 2015年07月27日 16時49分 公開
[國谷武史ITmedia]

 トレンドマイクロは7月27日、コンシューマー向け総合セキュリティソフトの最新版「ウイルスバスター クラウド 10」を発表した。マイクロソフトの最新OS「Windows 10」に対応し、同OSのリリース日に合わせて29日にオンラインストアでの販売を開始する。パッケージ版の店頭販売は9月4日から。

Windows 10のリリースに合わせて例年より1カ月近く早く発表されたウイルスバスター最新版

 最新版製品ではWindows 10対応のほか、マイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive」に保存されたファイルのウイルススキャン機能を新たに搭載する。1ライセンスでWindows、Mac、Android、Kindle、iOSの各OSを搭載するデバイス3台まで利用できるようになった。

新機能の「クラウドストレージスキャン」

 情報漏えい対策機能では10月に国民へ交付が始まる「マイナンバー」の外部送信を遮断するようにして漏えいを防ぐ。ユーザーがアクセスする先のWebサイトのSSL証明書が偽装されている場合にこれを検知して、ユーザーへの警告と通信の遮断を行うように機能強化された。

情報漏えい対策機能に追加した「マイナンバー」の保護

 また、電話などでユーザーの相談に対応するサポートの「デジタルライフサポート」を「デジタルライフサポート プレミアム」にリニューアルした。遠隔サポートツールを使って同社の担当者がユーザーのPCを遠隔で操作し、サポート対応に伴う時間短縮を図るとしている。

 併せてAndroid/iOS/KindleFire向けのセキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル」の最新版も発表。Android向け機能ではオンラインバンキングサービスの偽アプリを検出したり、オンラインバンキングサービス利用時のWi-Fiのセキュリティ設定を検査して脆弱な場合にユーザーへ警告したりするように機能を強化した。iOS向けではSafariブラウザのセキュリティ拡張を新たに搭載して、不正サイトへの接続を検知したり、警告したりする。

 同日会見したエバ・チェン社長兼CEOは、ウイルスバスターシリーズをWindows OSの刷新に合わせてバージョンアップしてきたと説明。近年のウイルスバスターは、製品名にバージョンの数字や西暦などを入れておらず単に「ウイルスバスター クラウド」と称してきたが、今回はWindows 10と同じバージョン数字の「10」を盛り込み、新OSへの対応をユーザーに強く印象づける狙いがあるようだ。

 副社長の大三川彰彦氏は、同社の調査でユーザーの約65%がマルチデバイスを利用していること、約67%がクラウドストレージのセキュリティに懸念を抱いていることといった結果を紹介し、最新版製品がこうしたユーザーの課題の解決を目指したものと強調した。

 利用期間1年のオンライン販売価格はウイルスバスター クラウド 10が5380円、デジタルライフサポート プレミアムを付属したものが7980円、ウイルスバスター モバイルが3065円など。

 同社は併せて、先の世界選手権でアジア人初の金メダルを獲得したフェンシングの太田雄貴選手と1年間のスポンサー契約を締結したことも発表。会見で太田選手は、「相手の動きを予測して対応していくという点がセキュリティ対策と似ている」とコメントした。

スポンサー契約を締結した太田選手(左)とチェンCEO

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