総務省の2016年度概算要求、セキュリティ強化などに約260億円

政府情報システム基盤の共通化における安全強化やサイバー攻撃対策などを推進する。

» 2015年08月28日 15時21分 公開
[ITmedia]

 総務省が8月28日に発表した2016年度の概算要求によると、サイバーセキュリティ関連予算で標的型攻撃対策や政府情報システム基盤整備における安全強化などに261億円強を盛り込んでいることが分かった。自治体情報システムのセキュリティ強化やプライバシー関連などにも予算を計上する。

 サイバーセキュリティ強化では新たに、「未来志向型ネットワークセキュリティ基盤事業」で13億1000万円を盛り込むほか、「サイバー攻撃複合防御モデル・実践演習」に6億円(別途、事項要求9億6000万円)、インターネットユーザーのウイルス感染防止のための実証実験に4億円を盛り込む。

サイバーセキュリティ強化関連予算の概要(総務省資料)

 「未来志向型ネットワークセキュリティ基盤事業」では日本年金機構での情報漏えい事案を受けて官公庁や特殊法人、重要インフラ企業などの機密情報を狙うサイバー攻撃などの解析、防御モデルの検討や実践的な演習を実施する。

 政府情報システム基盤整備関連では130億5000億円(別途、事項要求98億2000万円)が盛り込まれ、2018年度までにシステム数の63%削減、2021年度までに316システムの基盤共通化を推進する。この整備に2016年度は104億円を割り当てるほか、情報セキュリティ強化に26億5000万円、府省共用のセキュリティ環境構築に事項要求として98億2000万円を計上した。

政府情報システムでのセキュリティ強化関連予算の概要(総務省資料)

 この他に、マイナンバー制度対応に伴う総合行政ネットワーク(LGWAN)などの緊急セキュリティ対策事業として4億5000万円、パーソナルデータ利活用のための安全確保技術の実証として1億2000万円などを計上している。

 また経済産業省も2016年度の概算要求で、政府や民間企業のセキュリティ対策の抜本的な強化のために42億円(2015年度当初予算は18億円)を盛り込んでいる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ