NICT、女性のサイバー戦を可視化する「AMATERAS零」を開発

攻殻機動隊がモチーフの「NIRVANA 改」をベースにしており、女性同士の熱き戦いに配備される予定だ。

» 2015年10月19日 14時51分 公開
[ITmedia]

 情報通信研究機構(NICT)は10月19日、サイバー模擬攻防戦の様子を可視化する専用エンジン「AMATERAS零」(アマテラス・ゼロ)の開発を発表した。開催中のSECCON 2015で11月7日に行われる女性限定のCTF(会場:神戸サンボーホール)大会に配備される。

 「AMATERAS零」は、NICTサイバーセキュリティ研究室が「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT × SECCON CTF for GIRLS」の一環で開発した。「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」は攻殻機動隊の世界観や技術を現実化するプロジェクト。CTF(Capture The Flag)はセキュリティ技術の向上や攻撃への対処能力の強化を目的に世界中で行われているサイバー模擬戦で、ゲーム形式で得点を競う競技。2015年は国内で初めて女性限定の競技が実施される。

全体図では中央オレンジ色の球体がCTFの問題サーバ、周囲の青いリングがCTFのプレイヤーを表す
プレイヤーリングは各CTFプレイヤーの得点や正答状況を表す

 AMATERAS零は、NICTが開発を進めるサイバー攻撃分析プラットフォーム「NIRVANA 改」をベースにしており、CTFでの攻防戦をリアルタイムに視覚化する。NIRVANA 改も攻殻機動隊をモチーフにしているといわれるシステム。AMATERAS零では再現されたサイバー空間上にプレイヤーの得点や正答状況を表示するほか、プレイヤー同士の攻防の様子を見ることができる。

問題サーバの表面には問題リングが配置され、プレイヤーの回答の正否をリアルタイムに視覚化
問題に正答すると、プレイヤーリングと問題リングとの間に「枝」がつき、特定のプレイヤーリングを選択すると「枝」がハイライトされる

 NICTは今後もSECCONや攻殻機動隊 REALIZE PROJECTとの連携を進め、人材育成や技術の発信に取り組む方針。11月7日の戦いは当日見学もできる。

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