基幹業務システムの統合化などに対応する「VCE VxRail Appliance」を発表した。既存のVMware環境からの容易な移行を実現するという。
EMCジャパンは3月15日、VMware環境で稼働する基幹系業務システムの統合化に対応するハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)アプライアンス製品「VCE VxRail Appliance」を発表した。
ストレージにフラッシュとディスクを用いたハイブリッドモデルを同日から、オールフラッシュモデルを2016年4月〜6月期から提供する。
VxRail Applianceは、サーバやストレージ、ネットワークのハードウェア機器とVMwareのソフトウェア製品群(vSphere、vCenter Server、Virtual SANなど)を一体化して提供するシステム製品。中データセンターや企業の拠点システム基盤での利用を想定する。小規模導入から始めてアプライアンスを追加しながらシステム環境を拡張していけるスケールアウト型の仕組みとなっている。
システムの最小構成では2Uサイズの筐体に4ノードを搭載し、販売価格は750万円から。ユーザーは発注時にシステム上で稼働させるアプリケーションなどの要件に基づいてCPUとメモリ、ストレージ容量を選択するだけでよいという。ハードウェアやソフトウェアの構成はEMCの推奨構成を利用することで、個別の製品を組み上げる場合に比べて、設計から検証、導入作業までの期間を短縮できる。また、運用や保守はEMCジャパンが一元的に提供するという。販売は同社パートナーのネットワールドとネットワンシステムズが行う。
同社では中小規模システムでの利用以外にも、高速なストレージ性能やスケールアウトの仕組みといった特徴を生かすことで、デスクトップ仮想化基盤にも適用していけるほか、IaaSサービスと組み合わせたハイブリッド型システムとしても拡張できるとしている。
一方、VMwareでは特にvSphereに統合されているVirtual SANによってストレージの容易な管理と性能を生かしたシステム運用を実現できると説明する。VxRail Applianceに搭載されるVirtual SANの最新版(バージョン 6.2)ではデータの重複排除と圧縮機能をサポートしており、特にVxRail Applianceのオールフラッシュモデルのこの機能を利用すれば、データの効率的な利用や管理が実現されるという。
また、Virtual SANでは大規模なデータ向けのオブジェクトストレージなどで採用が広がりつつある冗長化技術のイレージャーコーティングや仮想マシン単位でのQoSもサポートするため、VxRail Applianceを高可用性が求められるシステムにも利用できるとしている。
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