定義ファイル不要のマルウェア防御――HISOLとCylanceが提供

日立ソリューションズと米Cylanceが提携し、HISOLが定義ファイルを使わないCylanceのマルウェア防御製品を国内販売する。

» 2016年04月18日 13時42分 公開
[國谷武史ITmedia]

 日立ソリューションズ(HISOL)は4月18日、米セキュリティ企業Cylanceとの提携を発表した。Cylanceのエンドポイント向けマルウェア対策製品「CylancePROTECT」を19日から国内で販売する。

 「CylancePROTECT」は定義ファイルを使わず、これまでに出現したマルウェアの特徴や攻撃パターンなどの機械学習による結果をもとに、不正ファイルの検出と実行を未然に阻止する機能を搭載する。Cylanceは2002年に創業し、既に1000社以上への導入実績がある。Cylanceのマルウェア対策技術はDellなどにも提供されているが、製品としての国内提供はHISOLが初めてになる。

「CylancePROTECT」製品の特徴

 提供理由についてHISOLは、昨今の標的型サイバー攻撃ではなりすましメールなどを通じて未知のマルウェアが使われ、定義ファイルを用いるウイルス対策製品での検知が難しくなっていると説明。感染を防ぐにはPCなどのエンドポイントが最後の砦になるため、同社のセキュリティソリューションにおけるサイバー攻撃対策を強化するために、Cylanceと提携したという。

700万以上のファイルの特徴から機械学習に基づくアルゴリズムで解析し、不正ファイルを高精度に検知するという

 Cylanceによれば、CylancePROTECTは社会インフラを担う企業や大企業での採用が増えている。導入企業の多くで検証結果から誤検知の少なさが認められ、定義ファイルを用いる従来型ウイルス対策製品から切り替えるケースが多いという。年間数回の検出エンジンのアップデートを除いて頻繁に更新する必要がなく、エンドポイント全体の管理はクラウドベースのWeb管理コンソールで行うことから、管理システムを社内などに構築する手間もないとしている。

米国では大学がランサムウェア対策で導入したケースもあるという

 国内での製品展開について両社は、重要インフラ系企業を中心とする大企業への訴求に注力する。製品価格はオープンだが、参考価格はユーザー数2500〜5000人の場合で1ユーザーあたり年間9600円。HISOLは新製品と関連ソリューションの販売で2018年度までに100億円の売り上げを見込む。

提携を発表したHISOL クロスインダストリソリューション事業部の石原繁樹氏(右)とCylance製品マーケティング担当副社長のブライアン・ゲール氏

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