質問には「ストレートに」「簡潔に」答えよ榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』

質問に答えるときなど、分かりやすく、または詳しく伝えようとするあまり、多くの情報を詰め込んで話してしまいがちなもの。結局、何が言いたいのか、うまく伝わらないことも。そんなときは、「ストレートに」「簡潔に」を思い出そう!

» 2016年05月10日 08時00分 公開
[榊巻亮ITmedia]

この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。


お手本は“ジャック・バウアー”!?

 今回の語録は、これ。

質問には「ストレートに」「簡潔に」答えよ

 ケンブリッジ入社当初から、本当に何度も言われた。僕だけじゃなく、入社した社員が必ずしつこく言われることでもある。殿堂入りの語録だと思う。

 「質問に対して、結論から話せ!」というヤツだ。正直、みんなできていない。こんなやりとりが多い。

【ダメな例】

上司 「見積もりできたの?」

  「あーそれはですね、✕✕の項目は終わっているんですが、先週✕✕から電話があって、✕✕の機器が品切れで、代替品がアレで、ソレがコレで……。✕✕項目は見積もりがまだ出ていないんですよ」

上司 「なるほど。いろいろ言い訳してるけど、まだ終わってないってことね」

  「うっ……、まぁそうです……」


 一方、良い例はこちら。

【良い例】

上司 「見積もりできたの?」

  「まだです」

上司 「お? 進捗は?」

  「✕✕項目の見積もりだけが、未完了の状態です」

上司 「なんで未完了なの?」

  「はい、なぜ一部の見積もりが未完了かというと……」


 上司は現在の状況が知りたいだけで、未完了の理由など聞きたくないかもしれない。だから、聞かれたことに対して結論だけを「ストレートに」「簡潔に」答える必要がある。

 これを意識するだけで、生産性はけっこう上がると思う。実はケンブリッジでもちゃんとできている人は少ない。僕もたまに忘れる。皆さんの周りではどうかしら?

 ケンブリッジでこの語録が話題になると、こんな声が上がってくる。

【コンサルタント 中川さんのコメント】

 私もテンパるとできてないような気がしますが、まるっと棚上げして……

 このテーマについて思うのは「軍人になれ」です。映画でよくありますよね?

大統領  「あの件はどうなっている?」」

ジャック 「順調に進んでおります。」

大統領  「ということは、あの作戦が成功したということか?」

ジャック 「はい。そうであります。」

大統領  「ならば、次の作戦に移行せよ。」

ジャック 「イエッサー!!!」

 『24 -TWENTY FOUR-(トゥエンティフォー)』のジャック・バウアーと大統領のやりとりを見て「簡潔だな」と思い、ひそかにまねしたこともあります。軍隊は実にシンプルにコミュニケーションする集団。だって命かかってますから。グダグダ言ってる間に殺されちゃいますから。理由とか言い訳とかはいらなくて、「まずは聞かれたことだけに」ストレートに答える。

 ケンブリッジで「✕✕であります」と話すのはさすがにやり過ぎですが、われわれのワークスタイルも“Speed! Speed! Speed!”。グダグタ言ってプロジェクトマネージャーの時間を無駄遣いしていないか、自問すると「ウッ……」となる人も多いのでは?(ウッ……)。


【コンサルタント 木下さんのコメント】

 自分もさんざんフィードバックを受けました。その後、意識していることは、

  • (自分の頭の中で)「あぁ、自分、グダグダ言い始めたな」と感じた瞬間、「すみません、もう1回」と宣言し、ストレートに言い直す。
  • 「結論から言うと」を接頭語みたいにどんな会話の冒頭にも付ける。

 これを日頃から意識するだけでも、訓練になると思います。


 さて、読者の皆さんはどうでしょうか? 「ストレートに」「簡潔に」答えていますか?

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著者プロフィル:榊巻亮

book 世界で一番やさしい会議の教科書

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 コンサルタント。一級建築士。

「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革、新サービス立ち上げ、プロジェクトを通じた人材育成などに携わる。ファシリテーションとITを武器に変革プロジェクトを支援。詳しいプロフィルはこちら


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