カスペルスキーが個人向けセキュリティソフトの新版、脆弱性対策を強化

主要なソフトウェアの更新を一括してできる機能などを追加した。

» 2016年10月12日 16時01分 公開
[ITmedia]

 カスペルスキーは10月12日、個人向けセキュリティソフトの最新版「カスペルスキー セキュリティ 2017」を発表した。WindowsやMac、Androidに対応し、13日に発売する。

最新版ソフトのパッケージ

 最新版製品では、主にサイバー攻撃で悪用されやすい脆弱性対策を強化したという。新機能では、PCにインストールされているソフトウェアの更新を自動的に確認し、アップデートをワンクリック操作で一括してできる「ソフトウェアアップデーター」を追加した。

ソフトウェアアップデーター機能の画面。アップデート対象のソフトを一括して更新できる

 また、ユーザーが意図せずにインストールしたり、長期間利用していなかったりしているソフトウェアを定期的に確認して、アンインストールを推奨する「ソフトウェアクリーナー」機能を強化している。

ソフトウェアクリーナー機能の画面。Windows版のサポートが終了したQuickTimeのアンインストールを推奨している

 この他にWindows向けにはVPNクライアントの「セキュアコネクション」、Mac向けには「Webカメラのぞき見防止」「Webトラッキング防止」機能をそれぞれ追加した。Android向けにはAndroid Wearをサポートした。

 新機能などの狙いについてプロダクトマーケティング部の田村嘉則部長は、「従来のセキュリティソフトは危険性を警告するものの、その対応作業はユーザー任せで面倒だった。最新版ではセキュリティソフトがユーザーを積極的にサポートすることを目指した」と説明する。

 川合林太郎社長によると、2016年のセキュリティ脅威動向で最も注目されるのはランサムウェアとのこと。同社製品でのランサムウェアの検出は1月〜3月期に増加し、4月〜6月期は減少し、個人ユーザーが占める割合は1月〜3月期が83%だった、4月〜6月が79%に減少した。

ランサムウェアの検出状況。規模的な脅威は春先がピークだったものの、質的な脅威はむしろ高まっているという

 同氏は、「個人ユーザーへの攻撃が減った一方、相対的に法人ユーザーの危険は高まっている。国別の検出ランキングで日本の順位は1月〜3月期が9位だったものの、4月〜6月期はダントツで1位になり、決して油断できる状況ではない」と解説している。

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