大規模DDoS攻撃は防犯カメラが踏み台に、中国メーカーがリコール表明

今回の攻撃では中国のXiongmai製の防犯カメラやIPカメラ多数が踏み台にされていたことが判明。Xiongmaiはリコールを表明すると同時に、報道機関に対する法的措置も辞さない構えを示した。

» 2016年10月25日 08時04分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 TwitterやNetflixなどの大手サービスを相次いでダウンさせた10月21日の大規模な分散型サービス妨害(DDoS)攻撃に関連して、中国の電子機器メーカーHangzhou Xiongmai Technology(杭州雄迈信息技术有限公司)が、攻撃の踏み台にされたと伝えられていた防犯カメラ(DVR)やIPカメラのリコールを表明した。米セキュリティ情報サイトの「Krebs on Security」が24日付で伝えた。

 今回のDDoS攻撃は米DNSサービス大手のDynが標的とされ、同社のサービスを使っているTwitter、Spotify、Reddit、Netflix、Wall Street Jounralなど多くのサービスが一時的に利用できなくなった。この攻撃にはIoTデバイスに感染するマルウェア「Mirai」が使われたと伝えられていた。

 Krebs on Securityがセキュリティ企業Flashpointの話として伝えたところによると、今回の攻撃ではXiongmai製の防犯カメラ(DVR)やIPカメラ多数がMiraiに感染してボットネットのネットワークに加担させられていたことが判明。こうしたカメラは「root」というユーザー名と「xc3511」というパスワードがデフォルトのままで使われていた。

Xiongmai製とされる電子部品(Krebs on Securityより)

 Xiongmaiのカメラはさまざまなメーカーの製品に組み込まれていて、Webベースの管理画面でユーザーがデフォルトの認証情報を変更できたとしても、パスワードはデバイスのファームウェアにハードコーディングされていて、変更するために必要なツールは存在しないという。

 Krebs on Securityによれば、Xiongmaiは24日、この問題に関する声明(中国語)を発表。報道各社にあてたメールで「MiraiはIoTに多大な損害を引き起こしている。当社の製品は不正侵入と不正利用の被害に遭った」と説明し、同社のカメラが攻撃に利用されたことを確認した。

声明を発表したHangzhou Xiongmai Technology

 ハードコーディングの脆弱性は2015年9月のファームウェアアップデートで修正し、それ以降に出荷した製品は攻撃には利用できないはずだとしている。

 一方で同社は、虚偽の報道によってブランドを傷つけられたとも主張、報道機関に対する法的措置も辞さない構えを示しているという。

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