誤ってデータをなくさないために “母艦なし”時代のスマホバックアップを考える半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2016年11月08日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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 その他の「あなたしか持っていない」情報が何か考えてみましょう。カレンダーに登録された予定、友達の連絡先が保存されているアドレス帳、そしてブラウザのブックマークと保存されたパスワード……。

 実は、これらのデータのほとんどは、自動でクラウドに保存されています。設定さえしていれば、iOSならiCloudに、AndroidならGoogleアカウントとして丸ごと保存されているはずです。そのため、もし今、端末を紛失して再度購入しても、今まで使っていたアカウントでログインすれば、ほとんどの場合は問題なく復旧できるでしょう。

 こう考えると、バックアップは不要に思えるかもしれませんが、まだ意識的にバックアップしなければ消えてしまう情報もあります。例えばゲームの保存データは注意が必要。保存データがスマートフォンの中だけにあったり、設定で明示的にアカウントを作り、クラウド保存をするという操作をしなければいけない場合が多いのです。もし、ゲームにハマっていて、ガンガン課金しているなら、そのアカウントがなくなることは悲劇でしかありません。

 最近では、特定のIDさえあれば復旧できたり、機種変更の手続きが用意されているゲームも増えていますが、念のためあなたがハマっているゲームが「機種変更」や「バックアップ」に対応しているかどうかを確認することをお勧めします。

次の機種変更で心配なのは「Apple Pay」の移行?

 スマートフォンを買い換えるまでの期間は昔に比べて長くなっており、機種変更時にするべき作業が何かを忘れてしまいがちです。しかし、この機種変更の時こそが、“データを失うことになる最大の原因”といっても過言ではありません。バックアップは故障の備えというより、自らが誤って消してしまわないようにするための防御と考えて慎重に行ってください。

 機種変更時にデータをなくさないためには、失いたくない情報、例えば写真やゲームの情報などが「どこにあるのか」を把握することが重要です。それが端末の外、例えば「クラウド」にも保存されているならいいですが、端末の中にしかない場合、しっかりバックアップを取っておきましょう。

 そんな私も、始まったばかりの電子マネー機能「Apple Pay」については、まだ状況をきっちりと把握できていません……。まずは、「どのような形でデータをバックアップしているのか」「機種変更時の手順はどうなっているのか」「なくした場合、どうやったら復旧できるのか」を調べようと思います。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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