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» 2017年01月14日 08時00分 UPDATE

Microsoft Focus:Microsoftの歴史あるイベントがなくなった理由 (1/2)

Microsoftは、上半期の事業成果報告と下半期のビジネスプランを徹底的に話し合う全社上げての最重要会議「ミッドイヤーレビュー」を撤廃。この象徴的な出来事に、サティア・ナデラCEO率いるMicrosoftの変革と行方を読み解く。

[大河原克行,ITmedia]

Microsoftの変革を象徴するミッドイヤーレビューの消失

Photo 米Microsoftのサティア・ナデラCEO

 サティア・ナデラCEOの就任以来、変革を続けているMicrosoftに象徴的な出来事が起きた。2016年度から「ミッドイヤーレビュー」と呼ばれる社内会議がなくなったのだ。

 これは、Microsoft社員や同社OBなら全員が知っている重要な会議。社外に対して大きな影響を及ぼすものではないが、社員にとってはまさに大きな出来事といえる。ビル・ゲイツ氏のCEO時代から続いていた歴史ある大規模な会議が消えることになったのだから、変革の象徴と位置付けられるのも当然だろう。

 ミッドイヤーレビューは、毎年、1月初旬から2月中旬にかけて米国本社を中心に開催されている会議で、7月に新年度が始まる同社にとってこの時期がちょうど期の真ん中に当たることから、そう呼ばれている。

 この会議では、米Microsoft本社の経営トップに対して、本社の各事業部門単位、及び各地域・各国単位で事業責任者が経営事業の進捗状況を報告する。

 日本からも多くの幹部社員が出席し、経営トップとの対話を通じて上期の状況を深くレビューし、下期に向けた方針や施策などを説明。業績が悪い場合は、その原因を徹底的に追求し、改善策を見つけるまで議論する。業績が良い場合でも、さらに良くするために細かい改善ポイントを見つけて議論し、的確な回答ができない場合は厳しい意見が飛ぶ。

 結果的に、業績が良くても長時間に渡るのが通例だったという。また、市場ごとの中長期的な視点での投資分野についても議題に上るなど、その年度を超えて将来に向けた議論も行われていた。

 いずれにしろ、社員にとっては重要度が非常に高く、過酷な会議だったのは間違いない。かつては朝から会議が始まり、議論が深夜にまで及んだり、ネットワークを使わず、大量の紙の資料を会場に持ち込んだりといったこともあったという。

Photo 米Microsoft本社

 そのため、出席する幹部社員は12月から会議の準備として資料作りを始め、1月の渡米に向けて徹底的に資料を整える。毎年1月に、日本マイクロソフトからの対外的なイベントや発表が少ないのは、このミッドイヤーレビューの存在が少なからず影響していたといっていいだろう。

 ここ数年は、会議時間がエンドレスとなる手法を取りやめ、会議にかかる時間を事前に固定するなど参加する社員への負担は減っていたようだが、それでも幹部社員からは「12月から気分的に落ち着かなくなる」「プレッシャーで、正月もゆっくりできない」「ミッドイヤーレビューに関わることで、冬が嫌いになった」という、本気とも冗談とも分からないような声が聞かれたほどだ。

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