進むWebブラウザの“Flash離れ”、Microsoft Edgeもブロック拡大へ

まだFlashに依存しているサイトでは「Adobe Flashがブロックされました」という画面が表示されるようになる。Windows 10向け次期大型アップデート「Creators Update」で安定版に導入される見通しだ。

» 2016年12月15日 08時24分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 主要Webブラウザの間でAdobe Systemsの「Flash Player」離れが加速している。米Microsoftは12月14日、WebブラウザのEdgeでFlashのコンテンツの自動再生をストップする措置を拡大すると発表した。

 2016年8月に配信されたWindows 10の「Anniversary Update」以降、Edgeでは広告などに使われている一部のFlashコンテンツが静止状態で表示され、ユーザーがクリックしなければ再生されないようになっていた。

 Microsoftのブログによると、次のリリースではその機能を拡張し、Flashコンテンツをいつ読み込むかをユーザーがコントロールできるようにすることで、HTML5の代替技術への移行を促す。この機能はWindows Insiders向けのプレビューリリースに間もなく実装され、2017年にリリース予定のWindows 10向け次期大型アップデート「Creators Update」で安定版に導入される見通し。

photo Microsoftのブログ

 この変更に伴い、HTML5をサポートしているWebサイトはHTML5がデフォルトとなり、Flashは読み込まれなくなる。まだFlashに依存しているサイトでは「Adobe Flashがブロックされました」という画面を表示。Flashを読み込んで実行するかどうかをユーザーが選択できるようになり、次にそのサイトを閲覧する際はその選択が記憶される。

 ただし、当面の間はFlashに依存している大手サイトにこの措置を適用しない方針で、今後数カ月の間にMicrosoft EdgeでFlashの使用状況をモニタして、例外の範囲を狭めていくという。「いずれはどのサイトでも、ユーザーが主導権を持ってFlashを選択できるようになる」としている。

photo Flashに依存しているサイトでは「Adobe Flashがブロックされました」という画面を表示する(出典:Microsoft)

 Web開発者に対しては、JavaScriptやHTML5 Encrypted Media Extensionsなどの「標準化されたコンテンツ配信の仕組み」へと移行するよう促した。

 Flashを巡ってはGoogleがWebブラウザのChromeでFlashに代わってHTML5をデフォルトにする措置を段階的に進めているほか、AppleのSafariやMozilla FoundationのFirefoxでもHTML5への切り替えが進む。Flashがなくなれば「パフォーマンスが向上し、安定性が増し、セキュリティが強化される」とMicrosoftは指摘している。

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