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» 2017年03月03日 15時30分 UPDATE

仮想化&ストレージの基礎と最前線:「OpenStack」の今日と未来 (1/2)

AWSのようなIaaS基盤を社内システムとして実現できることで注目を集める「OpenStack」について、その利点や企業用途の展望などをまとめます。

[羽鳥正明,ITmedia]

この記事は羽鳥正明氏のブログ「仮想化&ストレージの基礎と最前線」より転載、編集しています。


 今回は、今後普及が期待されている「OpenStack」についてお話します。もう随分前から話題になっていて、最近ようやく商用システムの基盤として使われ始めていますが、今後メジャーになっていくかどうか予測が難しいと思っています。

 OpenStackとは、オープンソースソフトウェア(OSS)のクラウド基盤・管理ソフトウェアとして、およそ世界で4万人もの規模からなるオープンソースコミュニティーで開発されているソフトウェアの名称です。既に米国の大手企業WalmartやeBay、BMWなどでプラットフォームとしての採用事例が出始めており、企業向けのクラウド基盤として大きく注目を集めています。

クラウド市場ではAWSに対抗する新たな動きとして世界が注目

 IasSの世界ではAWS(Amazon Web Services)が既に独走態勢をとっており、その後をMicrosoft AzureやIBMのSoftlayerなど、大手のIT企業がその後を追うようにビジネスを広げようと努力する形となっていますが、OpenStackはこうした動きとは全く別に、2010年にNASA(米国航空宇宙局)と米国のホスティング事業者Rackspace Hostingの共同プロジェクトとして始まった、その名の通りオープンソースのソフトウェアです。

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 その後NASAが手を引いたことからメンバー構成は変化し、2012年9月にRackspace、HP、Red Hatなどをプラチナメンバーとして非営利団体OpenStack Foundationが発足することとなり、現在ではさらに直接的なクラウド事業から撤退したHPに代わって、富士通やNTTコミュニケーションズなどの日本勢がその普及に力を入れる存在となっています。

 現在のOpenStackは世界中で並行して開発が進んでいることから、数多くのコンポーネントで構成されており、年々そのコンポーネントの数は増加傾向にあります。

 しかしこのOpenStack Foundationは、数あるコンポーネントのうち「Nova」「Swift」「Neutron(ネットワーキング)」「Glance(イメージ管理)」「Keystone(認証)」「Cinder(ブロックストレージ)」の6つをOpenStackの中核を成すコアコンポーネントに位置付け、特に開発リソースを厚くする体制を採っています。

 その中でもNovaは、コアコンポーネントと位置付けられています。Novaの基本的な役割は仮想マシンのインスタンスを起動することにあります。OpenStackは仮想マシン以外に物理マシンやLXC、Dockerなどのコンテナもサポートしていますが、一番基本となるのはやはり仮想マシンであるため、最重要コンポーネントとされているのです。

国内でも広がるOpenStackユーザー

 国内でもOpenStackを利用するユーザーが現れ始めています。GMOインターネットのVPSサービス「ConoHa」は、VPS(Virtual Private Server)をサービスとして提供するシステムにOpenStackを活用している事例です。ユーザーはWebのダッシュボード画面から自分の必要な仮想サーバを起動することが可能になっています。

 Yahoo! JAPANでは、さまざまな自社サービスを提供するサーバを管理するためにOpenStackを使っています。IaaS環境上で動作する複数の仮想サーバとロードバランサーを組み合わせる取り組みが既にOpenStackの事例として公開されています。

 GREEでは、各種サーバリソースをリソースプールとして管理するためにOpenStackを使っています。同社ではOpenStackだけでなく、さまざまなOSSを組み合わせて使っており、その1つとして利用されています。

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