コレ1枚で分かる「HTML5(1) Ajaxの誕生」即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)

HTML5によって、マルチデバイス時代のアプリケーションプラットフォームとして進化しつつあるWebブラウザ。その背景には、Ajaxの登場やHTMLの進化、Web標準化などの流れがあります。今回から2回に分けてその歴史を総ざらい。この「HTML5(1)」では、Ajaxとブラウザの進化について解説します。

» 2017年03月14日 08時50分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


Webの表現力を高め、ブラウザをアプリのように

 2000年代初頭、Flashはアニメーションを動かし、音を鳴らすなど、動きのあるWebサイトを作成できるクライアントとして、PCスペックへの普及率が97%に達し、事実上の「標準」の地位を確立していました。そして、ブラウザさえあれば、ハードウェアや基本ソフトウェアの種類を問わないFlashは、Windowsに代わるクライアントとして期待されました。

 しかし、Flashは無料とはいえAdobeの製品です。Flashが標準となれば、ベンダーロックインが発生することから、プラグインを使わずにブラウザの機能を強化する方法が模索されました。そこに出現したのが「Ajax(Asynchronous JavaScript + XML:エイジャックス)」です。

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 Ajaxは、ブラウザの標準機能だけで高い表現力や操作性を実現しました。これを採用した最初のサービスは、2005年に公開されたGoogle Mapsです。それまでの地図サイトは、移動や拡大縮小のたびに地図画像を書き換えていたため、ぎこちない動きになっていました。しかし、Google Mapsは、マウスの操作だけで滑らかな移動や拡大縮小ができたのです。WindowsのアプリケーションやFlashを組み込んだブラウザであれば、こういったこともできましたが、当時ブラウザ単体でこれだけのことができるとは誰も想像していなかったため、大きな驚きを持って迎えられました。このやり方にAjaxという名前が付けられたのは、2006年のことです。

 これ以降、Webブラウザは、情報の表示だけではなく、Windowsアプリケーションに匹敵する高度な操作性を実現できるという認識が高まり、Webシステムを再度見直すきっかけとなりました。

 このことは、情報システムのクライアントとして不動の地位を確立していたWindows PCスペックの位置付けも大きく変えることを意味しました。プログラムやサービスをAjaxベースで作ることができれば、クライアントはWindows PCでなくても良いことになるからです。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「HTML5(1) Ajaxの誕生」
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