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» 2017年05月06日 17時00分 UPDATE

Microsoft Focus:MS、新OSとSurface Laptopで教育市場に本腰 巻き返しなるか (1/2)

教育市場向け施策でグーグルの後じんを拝していたMicrosoftが、本気の施策を打ち出した。その戦略とは?

[大河原克行,ITmedia]
Photo Surfaceの新製品「Surface Laptop」

 米Microsoftが教育分野向けOSとして、「Windows 10 S」を発表した。あわせて、同社ブランドのPCであるSurfaceの新製品として「Surface Laptop」を6月15日から米国で発売することを発表。同製品にも、Windows 10 Sが搭載されることになる。

Windows 10 Sの特徴は

 Windows 10 Sの特徴は、利用できるアプリがWindowsストアアプリに限定されたという点だ。

 Windowsストア以外からアプリをダウンロードしたり、インストールしたりしようとすると、使えない旨を示すアラートを表示し、Windowsストアから似た機能を持つアプリを紹介する。Microsoftでは、WordやExcel、PowerPointなどのOffice 365アプリとして「Office 365 Personal」を、Windowsストアを通じて提供することを発表。これも、Windows 10 Sの提供開始にあわせた施策の1つだ。

 さらにUSBメモリを活用することで、PCごとの環境を容易に設定することができるため、教育の現場では、授業を始める際に、生徒や学生ごとの環境を設定するといったことも可能だ。

Photo Windows 10 SとWindows 10 Home、Windows 10 Proとの違い

 Windows 10 SおよびSurface Laptopの日本での投入時期などについて、現時点では明らかになっていないが、最近、Microsoftのグローバル向けの発表では、北米だけの提供時期が示されることが多い。日本の展開時期については、別のタイミングで発表されることになるだろうが、それほど期間を置かずに発表される可能性が高そうだ。

教育市場で巻き返すための切り札に

 今回のWindows 10 SおよびSurface Laptopの発表は、Microsoftの戦略において、大きな意味を持つことになりそうだ。

 1つは、Microsoftにとって、教育分野での巻き返しに向けたのろしになるという点だ。

 日本では、富士通クライアントコンピューティングやNECパーソナルコンピュータ、東芝クライアントソリューションなどが、教育分野において高い実績を持つことから、Windowsの浸透率が高いが、米国では、グーグルのChrome OSが高いシェアを持ち、教育市場のシェアは50%を超えるという調査結果もある。

 PC領域において圧倒的なシェアを持つMicrosoftにとっては、唯一、この市場が攻めきれていない大型市場ともいえる。

 グーグルのChrome OSは、テバイスメーカーとの連携で、2011年から欧米市場を中心にChrome OSを搭載したChromebookを発売。当時から200ドル前後という低価格設定や、「Windows環境に比べて75%の導入および管理コストの削減が可能になる」(グーグル)という導入・運用コスト面でのメリットが教育分野で評価されている。また、授業のたびに全てのPCを初期化したり、特定のアプリをダウンロードできるように設定したりできるといった、教育現場における管理のしやすさにも注目が集まり、シェアを高めてきた経緯がある。

 Windows 10 Sは、こうしたChrome OSが先行する教育市場において、真っ向から対抗するものになる。

 というのも、Windows 10 Sでは、教育分野をターゲットとする仕様にしただけでなく、それを取り巻く製品群においても、教育分野をターゲットにした製品を用意し、Chrome陣営に対抗できる体制を整えたからだ。

 例えば、Surfaceブランドの製品として新たに加わったSurface Laptopは、999ドルからという価格設定で、Chromebookと直接、競合するものではないが、Acer、ASUS、デル、富士通、東芝、HPなどのデバイスメーカーが発売する教育市場向けのWindows 10 S搭載ノートPCやタブレットは、189ドルからの価格設定となっており、Chromebookに十分対抗できる価格設定になっている。

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