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» 2017年05月20日 10時00分 UPDATE

山岡週報:新技術をうまく社会と適合させるには SFアニメ「正解するカド」の視点が面白い

今春からスタートしたSFアニメ『正解するカド』は、未知の対象にどう取り組み、社会と適合させていくかを考える上で参考になる作品。予想を裏切る展開に注目だ。

[山岡大介,ITmedia]

この記事は山岡大介氏のブログ「山岡週報」より転載、編集しています。


 私はアニメや漫画が大好きです。テレビアニメも新たに始まるものは、なるべく第1話をチェックし、気に入ったものだけを毎週録画する――という生活を送っています。

 2017年4月に始まった「春」のクールでは、『Re:CREATORS』『アリスと蔵六』『ベルセルク』などが現在「毎週見るアニメ」として定着しており、最も楽しみにしているのが、『正解するカド』という毎週金曜の夜に放送されている作品です。

Photo (C)TOEI ANIMATION,KINOSHITA GROUP,TOEI

『正解するカド』とは

 最初はあまり期待していなかったのですが、話が進むにつれて解き明かされる「謎」と、分かったと思ったらすぐに次の「問題」が提示されるという展開に、毎週予想を裏切られています。

 個人的に面白いと思っているのが、この作品が「高次元」という難しい概念に真っ向から挑んでいるという点です。

 少しあらすじを紹介しましょう。主人公は、外務省に勤務する交渉官。羽田空港から飛行機に乗って離陸しようとしたところ、空中から謎の巨大立方体が出現し、それに飲み込まれてしまいます。その巨人立方体の名前が「カド」といい、その中から現れた「ヤハクィザシュニナ」と名乗る謎の存在が、人間の遭遇していない「次元」から来た存在として、人間社会にさまざまな「問題」や「未来」を提示します。そして主人公は、ザシュニナと人間の間に立つ「交渉人」としての仕事を依頼されるのです。

「高次元」を扱ったアニメ・漫画の中でも異色

 これまでにも「高次元」を扱った作品はいろいろとありました。有名なところでいえば、『ドラえもん』の4次元ポケット、映画『インターステラー』など。タイムマシンが登場する作品は全て「時間」という別次元について取り扱っているともいえます。

 しかし、この『正解するカド』は、そうした1つのアイテムとしてではなく、メインテーマとして「次元」(作品内では、異なる方向という意味からか「異方」と呼称されています)を取り上げ、研究者や政府機関、またマスコミや世論などが、この存在にどう関わっていくか、という切り口でストーリーが展開していきます。

 同じように高次元の存在と人間が対峙(たいじ)する話としては、漫画『度胸星』という作品もありますが、そちらは宇宙空間での遭遇という状況で、謎の存在と戦う展開でした。『正解するカド』では、人間社会全てを巻き込んでその「謎」と共存する形で進行していきます。

 誤解を恐れずにいえば、「よくこれで企画が通ったな」と思いました。最近のテレビアニメは、ヒットした漫画や小説などの原作がある作品が多く、ある程度、視聴率が確保できることが分かっています。

 一方、この『正解するカド』は完全オリジナルの新作なのです。しかも、派手なアクションシーンもなければ、巨大ロボットや魔法少女も登場しません。しかし、だからこそ、制作・企画に力が入っているのかもしれません。スタッフを見ると、フルCGアニメ映画『楽園追放』のプロデューサーの野口光一さん、脚本にはSF小説『know』などで知られる野崎まどさんらが名を連ねており、豪華な制作陣であることが伺えます。

 新たなテクノロジーを、どう社会とうまく適合させていくか。また、未知の研究対象にどう科学者が取り組んでいくかなど、IT部門の視点で見ても楽しい作品となっています。興味を持った人はぜひ、チェックしてください。

★動画★『正解するカド』予告 第2弾 https://youtu.be/Ufxk2GNXqNg

著者プロフィール:山岡大介

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