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» 2017年07月05日 09時00分 UPDATE

Enterprise IT Kaleidoscope:「Windows 10 S」が企業での利用に向いている理由 (1/2)

教育機関や学生向けとうたわれている「Windows 10 S」だが、その機能を見てみると、安全性や管理のしやすさなどに配慮されていることが分かる。将来的には、企業向けのWindows 10にも、10 Sの機能が取り入れられていくことだろう。

[山本雅史,ITmedia]

 米Microsoftが5月2日に発表した「Surface Laptop」には、教育機関、学生向けの「Windows 10 S」が搭載されている。Surface Laptopは、日本でも5月26日に発表会が行われ、7月20日から販売が始まる。

 Surface Laptopは、13.5型のタッチパネルディスプレイ(2256×1504ピクセル/10点タッチ対応)を搭載した薄型ノートPCだ。上位モデルが14万6800円(Core i5-7200U、8GBメモリ、256GB SSD)、下位モデルが12万6800円(Core i5-7200U、4GBメモリ、128GB SSD)となっている。Core i7搭載版のリリースも予定されているが、こちらの発売は秋頃になる予定だ。

 5月26日に行われた発表会では、Surface Laptopだけでなく、2in1タブレットの5世代目となる「Surface Pro」、米国では2016年に発表されていた「Surface Studio」など、数多くのSurfaceラインアップの発売が正式に発表された。

 今回は、このSurface Laptopに搭載された、教育機関や学生向けというWindows 10 SがどんなOSなのかを見ていこう。

Surface Laptop Surface Laptopは、学生向けに限定してしまうのはもったいないほどのデザインだ(MicrosoftのWebサイトから転載)

Windows 10 Sは教育機関などに向けた管理しやすいOS

 Windows 10 Sでは、Win32のデスクトップ アプリケーションを動かすことができなくなっている。このほか、オンプレミスのドメイン参加ができなかったり、ブラウザのデフォルトがEdgeに固定されたりしている(他のブラウザをインストールして利用することはできる。Edge以外のブラウザーをデフォルトに設定することができないだけだ)。また、仮想化のHyper-V、Subsystem for Linux、AppLockerなどは動作しない。他のWindows 10とは異なる点がいろいろある。

Windows 10 S Windows 10 Sの画面。見た目には、Windows 10 Pro/Homeと全く変わらない
Windows 10 S Windows 10 SのDefender Security Centerの画面。Creators UpdateのDefender Security Centerと変わらない

 アプリに関しては、Windowsストア経由でしかインストールできなくなっている。ただし、UWPでカプセル化したWin32アプリケーションは、Windows 10 Sにインストールすることが可能だ。WebサイトからダウンロードしたWindowsアプリケーションをインストールしようとしても、OS権限でインストーラが停止して、インストールすることはできない。つまりアプリは、WindowsストアからUWPアプリしかインストールできないわけだ。

Windows 10 S Windows 10 Sでは、アプリのインストールは、Windowsストアのみになる

 アプリの入手をWindowsストアだけに限ることで、違法なアプリケーション、マルウェアが入ったアプリケーションなどがインストールされないようにしている。

 米国では、PCの管理インフラとして、教育機関向けの「Intune for Education」が発表されたほか、「Office 365 for Education with Microsoft Teams」の1年間の使用権もバンドルされることが明らかにされている。日本国内では、「Office Home & Business 2016」のライセンスが付属する。

Windows 10 S Office 365 PersonalのアプリケーションもUWPカプセル化して、Windowsストアから配布する

Windows 10 Sを搭載した安価なPCも登場

 Windows 10 Sのリリースに合わせて、Microsoftでは、Office 365 Personal(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote)などのWin32アプリケーションをWinodwsストアで提供できるように、Win32アプリケーションをUWPカプセル化するDesktop App Converterにかけて、UWPアプリ化してWindowsストアで提供する。また、Surface Laptopには、Minecraft Education版をバンドルする。

 Surface Laptopは、Googleの「Chromebook」の対抗製品といわれている。Surface Laptopのほかに、Acer、Dell、HP、Samsung、東芝、富士通などから、Windows 10 Sを搭載した製品が発売される予定だ。Surface Laptopの価格は約13万円からと安くはないが、サードパーティー製のWindows 10 S搭載PCの価格は189ドルから(約2万1000円から)用意されるという。

 189ドルという低価格な製品は、さすがにSurface Laptopほどの性能は持っていないだろう。ただ、米国の学生にChromebookが普及していることを考えれば、なんとか学生にWindows 10とOfficeを使ってもらいたいというのがMicrosoftの思惑だと考えられる。

Windows 10 S Windows 10 Sは、2017年夏にリリース予定。MicrosoftのSurface Laptopのほかにも、多くのPCベンダーから提供される予定だ
ASUS VivoBook W202 Windows 10 Sを搭載したASUSの「VivoBook W202」
Dell Latitude 3189 2-in-1 Windows 10 Sを搭載したDell「Latitude 3189 2-in-1」

 Windows 10 Sは、教育関係者の場合、無償でWindows 10 Proへのアップグレードができる。また一般ユーザーでも、49ドルでアップグレードが可能だ(2017年中は無償でアップグレード可能)。

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