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» 2017年08月24日 08時30分 公開

ロボットの同僚が人間に危害を加える可能性 セキュリティ企業が警鐘

人間と一緒に働く作業用ロボットの脆弱性を突いて安全設定を改ざんされれば、人命が脅かされる恐れもあるとセキュリティ企業は指摘する。

[鈴木聖子,ITmedia]

 工場で作業中だったロボットが突如大暴れして、一緒に働いていた人間に危害を加え始める――。そんなSFのような事態が現実に起こりかねないとして、セキュリティ企業が生産現場や家庭に進出するロボットの安全性に警鐘を鳴らしている。

Universal Robots製の「UR5」 産業用ロボットの安全性に警鐘

 セキュリティ企業IOActiveの研究者は2月に発表した論文「Hacking Robots Before Skynet」の中で、複数の大手メーカーの家庭用ロボットや産業ロボットを検証し、50件近い重大なセキュリティ問題を発見したと伝えていた。

 中でも生産現場などで人間の作業をアシストする共同作業ロボット(コボット)にスポットを当て、8月22日のブログでコボットを遠隔操作するデモ映像や、技術的な詳細を公表した。

 コボットについては2月の報告書の中で、Rethink Robotics製の「Baxter」「Sawyer」と、Universal Robots製の「UR」に多数の脆弱(ぜいじゃく)性が見つかったと報告。IOActiveによれば、BaxterとSawyerの問題は2月までに修正されたが、URの問題は5月にリリースされた最新バージョンでも未解決のままになっているという。

 こうした脆弱性を悪用されれば、攻撃者が遠隔操作で安全設定を改ざんし、任意の操作を行って周囲に物理的な危害を加えることも可能だといい、非常ボタンを無効にされれば直接的に人命を脅かす恐れもあるとIOActiveは警告する。

 実際にURの脆弱性を突く攻撃を再現したデモ映像では、遠隔操作で設定を変更して安全装置を停止させ、ロボットの動作範囲の制約を解除。再起動させるとロボットがアームを激しく振り回す様子を示している。

安全確保のためのリミッターを解除 脆弱性を突くことで、安全のための動作制限を書き換えることができてしまう

 IOActiveはカナダのロボット研究所の調査を引用し、「UR5」のような小型モデルでさえも、人間の頭蓋骨を損傷させるほどの威力があると指摘している。

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