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» 2017年09月09日 08時00分 公開

Microsoft Focus:死角なし? 決算から読み解くMicrosoftクラウド戦略のターニングポイント (1/2)

米Microsoftの2017年度第4四半期決算では、クラウド戦略に関するさまざまな転換点が見えてきた。

[大河原克行,ITmedia]
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 米Microsoftの2017年度第4四半期(2016年7月〜2017年6月)の業績は、GAAP(Generally Accepted Accounting Principles)ベースの売上高が900億ドル、営業利益は223億ドル、純利益は212億ドルとなった。

 前年比で売上高が6%増、純利益は26%増と増収増益を達成。特に法人向けクラウドビジネスは、189億ドルを突破。同社は、2018年度に200億ドルを目標にしていたが、確実に射程内に収めた格好だ。むしろ、新たな目標が提示されないほうがおかしいといえるだろう。

 クラウドシフトを図りながら、業績を向上させているMicrosoftの経営に対する市場の評価は高い。株価もそれに反応し、発表直後の終値は74.22ドルと、最高値を更新。8月31日には最高値となる74.96ドルを付け、現在でも73〜74ドル台で株価が推移している。

 米Microsoftのサティア・ナデラCEOは、「クラウドプラットフォーム全体のイノベーションの結果によるものであり、インテリジェントクラウドおよびインテリジェントエッジの時代における機会を切り開いていく」としている。

 昨今、クラウドシフトを図っている企業は、四半期ベースの業績をより重視するようになった。これは従来のライセンスモデルが四半期ごとに数値が変動することが多かったのに対して、“使うことの価値”が問われるクラウドビジネスはストック型となるため、四半期ごとにどれだけ蓄積されたかといった指標が重視されるからだ。

 その観点からみると、確かに通期の業績よりも、最新四半期となる第4四半期(2017年4〜6月)の業績の方が重要になるといえよう。そこで今回は、同社の第4四半期決算に注目してみたい。

名実ともに“ビジネスのクラウドシフト”へ

 米MicrosoftのGAAPベースの売上高は13%増の233億ドル、営業利益は73%増の53億ドル、純利益は109%増の65億ドルとなった。売上高、利益ともに成長しており、しかも、「Azure」が97%増、「Office 365」が43%増、「Dynamics 365」が74%増と、クラウドビジネスがいずれも2桁増と大きく成長している。まさに、クラウドビジネスの成長が同社の好業績をけん引していることを示している。

 第4四半期の部門別業績から、さらにその動きを深掘りしてみよう。

Photo Microsoftのクラウドビジネスの概況

 Office製品などが含まれる「プロダクティビティ&ビジネスプロセス」の売上高は、前年同期比21%増の84億ドルとなった。

 ここでのポイントは、Office 365の伸張が著しいことだ。コマーシャル向けOffice 365の売上高は43%増となり、契約数は31%増となった。また、コンシューマー向けOffice 365の販売も増加しており、契約数は2700万人に達した。

 実はこの第4四半期には、クラウドサービスとして提供するOffice 365が、オンプレミスのOffice製品の売上高を抜いており、同社の主力製品であるOfficeにおいても名実ともに、クラウド中心のビジネスモデルへと移行したことが示された。今回の決算で見逃せない転換点だ。

 今後、Microsoft 365の提供開始によってサービスの複合化が進展することで、Office 365だけでなくDynamics 365を含めたCRM市場への展開が加速すると見られているほか、第4四半期に11億ドルの売上高を達成したLinkedInも、今後はプロダクティビティ&ビジネスプロセスにおいて重要な役割を果たすことになるだろう。

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