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» 2018年01月12日 07時00分 公開

山岡週報:お酒の新境地でヒット連発、なぜシャープが? Makuakeとのコラボが成功し続ける理由 (1/3)

シャープの社内ベンチャーが、シャープの蓄冷技術を生かした“氷点下の味わいを楽しむ日本酒”など、新感覚の製品を次々と生み出している。クラウドファンディングとタッグを組んだそのオープンイノベーションの原動力とは?

[山岡大介,ITmedia]

この記事は山岡大介氏のブログ「山岡週報」より転載、編集しています。


 2017年3月に取材した“シャープ×Makuake(マクアケ)”の「−2℃で味わう日本酒」プロジェクトは、研究開発で生まれた技術を基に「新しい日本酒のジャンル」を生み出すという意欲的な取り組みでした。最終的に1800万円を超える支援を集め、日本酒ジャンルのクラウドファンディングにおいて国内記録を樹立しました。

 それだけにとどまらず、同年9月には「煎茶GIN」、10月には「氷点下スパークリング日本酒」と、この1年で3つも新たなプロジェクトを展開しています。大手メーカーがクラウドファンディングを活用して商品を企画する事例はここ数年で増えていますが、これほどの短期間で複数のプロダクトを立て続けに企画し、実施するスピード感はなかなか他では見られません。

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 なぜ、これだけ継続して新しい企画を出し、実現し続けられるのか。その仕組みと新製品開発にかける「エネルギー」について、シャープの西橋さん、マクアケの木内さん、北原さんに話を聞く機会を得ました。

Photo シャープ 社内ベンチャー 「TEKION LAB(テキオンラボ)」代表・西橋雅子さん(写真中央)、マクアケ クリエイティブディレクター 北原成憲さん(写真左)、マクアケ 取締役 木内文昭さん(写真右)

全ては「冬単衣」のクラウドファンディングから

 2017年、シャープの社内ベンチャー「TEKION LAB」とMakuakeによるクラウドファンディグでは、3つのプロジェクトが実施されました(2017年12月現在、2つが継続中)。

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 1人の日本酒好きとして、私も個人的にこの3プロジェクトは自費で支援しています。すでに「冬単衣」は2017年の夏に手元に届き、友人たちとのギョーザパーティで披露しました。ギョーザと日本酒、意外と合うんですよ。

 自分が支援したことによって生まれたプロダクトは、他の人にも話したくなるという気持ちが生まれます。クラウドファンディングならではの購入体験の醍醐味(だいごみ)ともいえるでしょう。今回こうした記事を書いているのも、この一連のプロジェクトのただの一ファンであるから、ということにほかなりません。

 「冬単衣」を実現したテクノロジーと、そこから日本酒の新しいジャンルを生み出すパッケージが開発されるまでのストーリーを聞いて、その商品が生まれるまでの「熱」が伝わってしまったと言ってもいいでしょう。

「(前略)しかし、よくよく話を聞いてみると、このプロジェクトは“単に新しい日本酒を作る”というレベルの話ではありませんでした。実は「−2℃で飲む」という、かつてない「新しい日本酒のジャンル」の創出であり、液晶材料の研究で培った技術を他の製品でも使えないか? と模索していたシャープと、日本酒業界で新しいことに挑戦したいと考えていた埼玉の石井酒造との「出会い」によって生まれた、イノベーティブな新製品開発の物語だったのです」

シャープの液晶材料研究と酒造メーカーの挑戦が生んだ「−2℃の日本酒」 - 山岡週報


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