Microsoftとオープンソースソフトウェア(OSS)の距離が急速に近づいている。デジタル変革を目指す企業の支援策としてオープンソース戦略を加速させるMicrosoftの狙いとは。
Microsoftとオープンソースソフトウェア(OSS)は、どれぐらい近づいているのだろうか。
それは、われわれが思っている以上に近いものといえるだろう。そして、かつてのMicrosoftを知っている人ほど、いまのMicrosoftの立場の違いを大きく感じることができるだろう。
例えばMicrosoftは、GitHubでOSSに開発貢献した企業として、現在、その件数ではナンバーワンになっているという。そして、Microsoft社内でも、9700のOSSコンポーネントを利用。6000人がOSS関連プロジェクトに従事し、3000のOSSプロジェクトをリリースしているという。
日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部の浅野智本部長は、「Windowsを搭載したPC上でOfficeを使って働き方改革を提案し、Azure環境でMicrosoftの製品を使ってほしいというのがこれまでのMicrosoftの提案だった。だがMicrosoftは、それではいけないと気がついた。いまではMicrosoftの開発部門自らがOSSを利用し、コミュニティーに積極的に参加している。昔のMicrosoftとは、姿勢が全く違うことを分かってもらえるはずだ」とする。
これは、日本でも同じだ。
浅野本部長は、「日本において『Microsoft Azure』上で動作する『Linux Virtual Machines(Linux VM)』の比率はすでに40%以上になっており、この1年間で10ポイントも上昇した」としながら、「開発者の声を聞くと、60〜65%に比率に高まる可能性がある。今後12カ月で約20ポイント引き上げ、60%を超える比率にまで高めていく。MicrosoftのPaaS上で半分以上の比率でOSSを稼働させることになりMicrosoftのIaaS上で半分以上の比率でOSSを稼働させることになり、これこそが、デジタル変革を行いたい企業の声を反映し、開発者が使いたい環境を提供することにつながる」という。
調査によると、60%のエンタープライズ企業がクウラド統合戦略のためにOSSおよびオープンAPIを導入する意向であり、65%のDevOpsのアーリーアダプターは、商業ベースのOSSソリューションを選択しているという。
Microsoftもこうした市場の要求に合わせて、OSSへのシフトを強力に推進していくことになる。
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