「クラウド版、パッケージ版と同額にしてくれませんか?」 Garoonユーザーのホンネにサイボウズもタジタジ?俺情出張企画「俺たちのGaroon」大阪冬の陣

ITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」とサイボウズ「Garoon」のコラボ「俺たちのGaroon」。今回は大阪に出張しました。東京ではスペースが話題の中心になりましたが、大阪ではクラウド版の話が盛り上がりました。

» 2018年01月15日 10時00分 公開
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 ITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」とサイボウズ「Garoon」のコラボ「俺たちのGaroon」が、今年は「Cybozu Days 2017」の大阪会場(12月5日〜6日、グランフロント大阪)にも出張しました。

 東京会場に引き続き、大阪でもGaroonユーザーをゲストに招き、各社でどのようにGaroonを使っているのか、運用や導入時の苦労話など、そのリアルな姿を紹介してもらいました。ゲストによるライトニングトークの後にはインタビューを行い、会場に集った観客へのアンケート内容を織り交ぜつつ、Garoonユーザーの要望や思いに迫りました。

photo 今年の“俺ガル”は大阪にも出張。関西のGaroonユーザーの皆さんが集まりました

 今回進行を務めたのは、「俺たちのGaroon」でおなじみのGaroon ビジネスプロダクトマネージャーの池田陽介氏、ITmedia エンタープライズ編集部の池田憲弘。そして、サイボウズでITシステムの企画・運用を行う鶴村修二氏が“俺ガル”に初参戦。上司に突然、出演の相談をされたという鶴村氏。「楽しみ」と言いつつ、表情からは若干の緊張が伺えます。

 今回、お話いただいたのは、東京会場に引き続き登壇した、中学受験塾「日能研」のグループ会社、エヌ・ティ・エスの古川真也さん、九州産業交通ホールディングスの三池利彦さん、そして高知県中西部電算協議会の坂本仁さんと畠中設さん。本記事では、後半2つの事例をご紹介します(※古川さんのお話は、東京会場のレポート記事をご覧ください)。果たして、関西と関東のユーザーでGaroonへの思いに違いはあるのでしょうか?

photo アイティメディアの情シス石野に代わり、今回はサイボウズの情シス鶴村氏(右)が進行を務めました。ITmedia エンタープライズ編集部の池田(左)との新コンビが誕生?

熊本地震で活躍した「Garoon」 スピーディーな情報共有が可能に

photo 九州産業交通ホールディングスで、Garoonの運用を担当する三池利彦さん

 九州産業交通ホールディングスでGaroonの運用を担当する三池利彦さんは、メッセージや掲示板の活用を中心に紹介しました。

 同社はバス事業や観光事業を始め、自動車整備やフェリーなど10の事業会社を束ねるグループの持株会社で、2012年にGaroonを導入。それ以前は、10年ほどサイボウズOfficeを使っており、ユーザー数が増えてレスポンスが悪化したことを期に、パッケージ版のGaroonに乗り換えたとのこと。

 移行の際は、ポータル機能を活用してGaroonの画面レイアウトをサイボウズOffice風にカスタマイズした上で、移行直前の1カ月はGaroonを使えるテスト環境を公開し、操作に慣れてもらうよう工夫したそうです。GaroonはサイボウズOfficeと異なり、メッセージや掲示板をトップに出す機能がないため、「お気に入り」の機能でカバーしたというTipsも披露されました。

 三池さんは「メッセージや掲示板が、部署間の情報格差をなくすことに役立っている」とアピール。同社のグループ会社が運営する「日帰りバス旅」というサービスでは、急なツアー内容の変更や、現場の改善案といったあらゆる情報を1つの場所で共有することで、部署間の連携が進んでいるそうです。その結果、サービスの質が向上し、日本サービス大賞の地方創生大臣賞を受賞したことが紹介されました。

 熊本と言えば、2016年4月に発生した熊本地震が記憶に新しいですが、その際も「Garoonが活躍した」と三池さん。地震発生の2時間半後には、経営企画部門のスタッフがGaroon上に災害連絡用の掲示板を設置し、被害状況や安否確認、バスの運行状況などを掲示板に集約して掲載。翌日には、この掲示板へのリンクをGaroonのポータル画面に入れ、誰でも地震関連の情報を見られるようにしたとのことです。

photo 「日帰りバス旅」のサービスクオリティ向上にGaroonが貢献しているとのこと

 サイボウズには、「メッセージの編集権限を“宛先追加編集のみ”とか“宛先編集と削除”というように、もっと細かく設定したい」とリクエストしたほか、クラウド版の価格を下げてほしいという本音もチラリ。クラウド版のコストを試算したところ、オンプレミスよりもかなり高額になってしまったと三池さん。クラウド化により削減できる運用コストなども含めて考えると、単純な比較が難しい部分もありますが、価格が移行のネックになっていることは間違いありません。

 東京会場でも、クラウド版の価格について来場者に突っ込まれたサイボウズの池田氏。意を決して、来場者に「いくらなら移行しますか?」と質問したところ、「半額ぐらい」「パッケージ版と同額で」といった声が出るとともに「運用コスト削減のインパクトは、経営陣に理解してもらえない」などといった課題が浮かび上がりました。それでも、会場内の4割程度がクラウド版のユーザーであることが判明。移行するユーザーも増えてきているようです。

「要望に対するフィードバック機能をください!」

photo 高知県中西部電算協議会の坂本仁さん

 事例紹介のラストは、高知県中西部電算協議会の坂本仁さんと畠中設さん。電算協議会というのは聞きなれない言葉ですが、簡単に言えばIT活用を進める組織です。同協議会は、高知県の四万十町と中土佐町を中心に、近隣の5市町で基幹系の自治体クラウドを運営するために設立されました。

 現在、協議会は2町で基幹系の自治体クラウド以外のシステム共同化を進めており、Garoonは四万十町と中土佐町で利用されています。2013年にパッケージ版を導入し、両町による共同運用で、役場や消防、学校(23校)の計1030人が使っているとのこと。

 登壇した坂本さんは、Garoonの利用によって2町間のコミュニケーションが良好になったと成果を語りました。「以前は、共通の議題を協議するために、どちらかの町に職員が集まる必要があったものの、現在はGaroonで情報が簡単に共有できるようになりました」(坂本さん)

 九州産交の事例と同じく、同協議会でもGaroonは災害時の対応に活用しています。四国の南側は台風の被害を受けやすく、南海トラフ地震への備えも課題となっていますが、Garoon導入前は、役場などに設置したホワイトボードで被害状況を共有していました。

photo 高知県中西部電算協議会は、Garoonを災害時の対応に活用している

 しかし、これでは現場対応や自宅待機をしている職員に情報が伝わらず、彼らが召集や配置替えの予測ができないのが課題でしたが、Garoon導入後は、災害の状況をメッセージで随時共有するようにしました。

 一方、Garoonの運用で苦労した出来事として、坂本さんはスタッフがGaroonのロールを全て削除した事件を紹介。職員の1人が何げなく、重要なロールを削除してしまい、復旧に数時間かかったとのこと。心中お察しします……。

photo 高知県中西部電算協議会の畠中設さん

 最後は畠中さんがサイボウズへの要望を発表。有償オプションのパワーアップキット「グループメール for Garoon」をGaroonの標準アプリにしてほしいこと、パッケージ版でもスマホアプリの「KUNAI」でプッシュ通知に対応してほしいなどの要望を話しました。

 「私自身、サイボウズに対する要望を頻繁に送っているのですが、その要望がどれだけ実現しそうかフィードバックがあるとうれしいです。機能要望を投票できる機能があるといいですね」(畠中さん)

 畠中さんの熱い思いを受け、サイボウズの池田氏も「“組織票”などを防ぐために、ユーザーIDごとに1票みたいなシステムがいいかもしれません。公明正大かつ広く、多くのご意見、要望を集められる仕組みはぜひ検討したいです」と答えました。

着実に進化するGaroon 2018年末までのロードマップを公開

photo Garoon ビジネスプロダクトマネージャーの池田陽介氏

 ユーザー事例の紹介に続き、サイボウズの池田氏が、Garoonの最新情報と今後のロードマップを紹介しました。

 まずは、Cybozu Daysの基調講演でも発表した「cybozu.com」へのVPN接続サービス。サイボウズのパートナー企業であるNTTコミュニケーションズとの連携で、11月8日にリリースしました。Garoonの利用で多くのユーザーが気にしているのがセキュリティ。cybozu.comへの接続がVPNで行えれば、Garoonはもちろんのこと、Garoon以外のcybozu.comのサービスを利用する際も、セキュリティを大幅に向上させることができます。

 さらに池田氏は、Garoonとチャットbotの連携やJavaScriptのカスタマイズ機能など、Garoonと他のサービスを連携させて、処理を自動化したり、高機能化したりするシステムも紹介しました。

 GaroonのスケジュールやワークフローにJavaScriptを埋め込めるようになることで、API経由で、他システムとデータのやりとりが可能になります。外部のDBからデータを取ってくることもできるため、活用の幅が広がります。

photo イベントの最後には、Garoonの新機能や開発ロードマップの説明も。来場者は真剣に聞いていました

 さらに、JavaScriptを使うと、特定の掲示板に書き込んだコメントの内容をGaroonの画面上に電光掲示板風に流れる文字として表示することも可能に。複数の掲示板やWebシステムなどから特定の内容を取得し、1つの画面上に表示できるため、簡単に“社内報”が作れると池田氏は説明しました。こうしたカスタマイズのTipsや、サンプルプログラムは「cybozu developer network」で公開されています。

 この後、池田氏が2018年末までのGaroonのロードマップを紹介し、盛況のうちにイベントは終了。東京も大阪も、Garoonユーザーの真剣さと工夫が感じられるイベントになりました。これからのGaroonのアップデートに期待しつつ、次はぜひ「俺たちの情シス」でもお会いしましょう!

イベントを終えて……秘密のアフタートーク

ITmedia池田:鶴村さんは初めての“俺ガル”でしたよね。お疲れさまでした。会場ではアンケートを取りましたが、要望とか読んでみてどうでした?

鶴村:正直とても楽しかったです。初めてだったこともあって、話し足りないこともありました。特に弊社のクラウドサービス利用の話はしたかったですね。サイボウズでは、他社のクラウドサービスを使うときは、セキュリティのチェックシートを埋める必要があるんです。第三者機関の認定がないサービスは、基本的に使えないんですよ。

ITmedia池田:厳しいですねー。大阪は東京とはまた違った展開で、クラウド版の料金の話が盛り上がりましたね。

サイボウズ池田:ええ。価格の話を突っ込んで聞けたのは良かったかなと。普段はなかなか聞けないことなので。

photo

ITmedia池田:半額(400円)どころか、300円以下にしてほしいって要望もありましたが、どうでしたか? お金の話が出るっていうのは、具体的な金額まで考えて検討している人がいるということでもあると思いますが。

鶴村:1ユーザーあたり月額300円となると、月額500円のサイボウズOfficeより安くなっちゃいますけど……。情シスの立場から言うと、やはりライセンス価格が上がることを社内に説明するのはなかなか難しいんですよね。社内説明で使えるような、資料やコンテンツが用意されていると、システムを導入する立場としてはやりやすいんですが。

サイボウズ池田:価格の話は難しいですよね。クラウド版のライセンスには、ハードウェア費用はもちろんのこと、バックアップやハードウェア、ネットワークの運用保守、セキュリティ対策などの人件費も含まれています。逆に言うとこれらの人件費を削減できることを、ぜひ検討の材料に入れて欲しいところです。さっき鶴村が言っていた、弊社のセキュリティチェックシートの内容などをオープンにするのもアリかもしれない。

ITmedia池田:今日発表した九州産交さんにクラウド移行してもらって、人件費を含めたリアルな価格比較を出してもらうってのはどうですか?(笑)

サイボウズ池田・鶴村:面白いですね(笑)

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提供:サイボウズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2018年2月14日