「サイジングに大苦戦」「ユーザー管理を自動化」 3社の事例に学ぶGaroon活用の極意俺情出張企画「俺たちのGaroon」レポート

ITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」とサイボウズ「Garoon」のコラボが今年も実現。今回は3人のユーザーが自社でのGaroon活用についてライトニングトークを行いました。その裏には、情シスならではの意外な苦労も……。

» 2017年11月30日 10時00分 公開
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今年の「俺ガル」は共感と驚きが渦巻く、事例紹介セッション!

 11月8日〜9日の2日間、幕張メッセで開かれた「Cybozu Days 2017」。その1日目にITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」が出張し、サイボウズのグループウェア「Garoon」とのコラボ企画、「俺たちのGaroon」を開催しました。

 昨年に続き2回目となる今回は、実際にGaroonを利用する3人のユーザーをゲストに招き、各社の利用状況をライトニングトーク形式で紹介してもらいました。Garoonは多彩な機能を持つグループウェアですが、その使い方は企業によってさまざま。どのようなエピソードが飛び出すのでしょうか。

 ライトニングトークの後は、「俺たちのGaroon」でおなじみのGaroon ビジネスプロダクトマネージャーの池田陽介氏、ITmedia エンタープライズ編集部の池田憲弘、アイティメディアの情シス石野博之がインタビュー。会場に詰めかけた観客を交えたディスカッションから、“もっとこうなら良いのに”というユーザーならではの「生の声」が見えてきました。

photophotophoto イベントの進行を務めるのは、「俺たちのGaroon」でおなじみのGaroon ビジネスプロダクトマネージャーの池田陽介氏(左)、ITmedia エンタープライズ編集部の池田憲弘(中)、アイティメディアの情シス石野博之(右)の3人

スペースは2倍、ディスカッションは3倍――想定外の活用でサイジングに大苦戦

photo エヌ・ティ・エスの古川真也さん。イベントで事例を話すのは初めてなのだとか

 ライトニングトークでトップバッターとなったのは、エヌ・ティ・エスの古川真也さん。同社は中学受験塾で有名な「日能研」のグループ会社で、テスト採点やシステム全般の運用、保守を手掛けおり、Garoonは2年前に導入。現在はパッケージ版を使っています。

 古川さんが時間を割いて紹介したのは、Garoonの一機能、「スペース」の利用について。中学受験塾という業界ならではの実情を明かしました。中学受験塾では、毎年2月に行われる入学試験の際に、各校の解答速報を出すという業務があります。日能研では、今年初めてこの業務にGaroonのスペースを利用したとのことで、担当の割り振りやPDFデータのやりとりなどに使ったそうです。

 コミュニケーションがスムーズになったというメリットはあったものの、古川さんに大きなピンチが。情報のやりとりが一気に集中したため、1600ユーザーを想定したマシンスペックに対し、5000ユーザーに匹敵する負荷がかかってしまったのです。ディスカッション機能は想定の3倍になったとか。

photo 想定を大きく上回る利用で、サイジングに大苦戦したといいます

 現在は受験シーズンのアクセス増に備えて、仮想サーバのマシンスペックを増強することで対応しているとのこと。このあたりはが中学受験塾ならではの工夫が垣間見えます。

 また、同社ではGaroonで会議などの動画共有も行っているとのこと。配信先を制限するため、Garoonのポータルにアクセス権を設定し、動画へのリンクを関係部署で共有するという工夫も紹介されました。素晴らしいプレゼンの最後には、実はメール機能だけは競合製品の「desknet's NEO」を使っているという衝撃の事実が。これには会場が笑いに包まれました。

 そんな古川さんのGaroonへの要望は尽きません。「権限が同じユーザーを追加する場合、設定をコピーできるようにしてほしい」「サイボウズOfficeみたいにポータルに写真を貼れるようにしてほしい」――などなど。デザインへの要望については、サイボウズの池田氏も新バージョンで対応する可能性を示していました。

アカウント管理システムと連携し、Garoonのユーザー管理を自動化

photo 東ソー情報システムの石川賢太朗さん。航空エンジン整備士から転職したという異色のキャリアの持ち主だ。「転職当初はエクスプローラーの意味すら分からなかった」と振り返る

 続いて登壇したのは、東ソー情報システムの石川賢太朗さん。同社は総合化学メーカーの東ソーの情報システム部門を担う会社で、Garoonは全国の東ソー及び,東ソーグループも含め、合計で約4000人ものユーザーが利用しています。

 もともとはサイボウズOfficeを使っていたという同社ですが、親会社の東ソーでも同じグループウェアを利用することになり、ユーザー数が大きく増えるため、2010年にGaroonのパッケージ版へと乗り換えたそう。サイボウズOfficeから数えると、サイボウズ歴は約10年という“ベテラン”です。

 石川さんは、スケジュール、スペース、リンク集、メモ帳、電話メモ、掲示板、メッセージ、TODOなどなど、検証中のものを含めて多くの機能を利用していることを紹介しました。Garoon2から使い続けるヘビーユーザーぶりが伺えます。

 同社もエヌ・ティ・エスと同じく、スペース機能を積極的に活用している模様。大量のメールでのやりとりの煩雑さを課題に感じていたころ、Garoonにスペース機能が搭載され、活用することを決断。2017年の春ごろから、部署間や事業所間の一部で使い始めており、「意思決定のスピードアップや、案件管理の効率化を実感している」とのこと。

 具体的には、案件ごとにスペースを作り、その中で「**にサーバを立てる」などのタイトルでディスカッションを作成しているとのこと。経緯の把握も含めた案件ごとの管理がしやすく、進捗把握もラクラク。上長承認が必要な案件についても,ディカッション内にてコメントで承認をとることで「ワークフローを使うよりも早い」と石川さんは言います。

photo 案件ごとにスペースを作り、その中でディスカッションを作成している

 同社のGaroonの利用方法で特徴的なのは、アカウント管理システムを連携させることで、数百人規模の人事異動があっても、ユーザー管理のデータを自動で作成できるようにしている点です。作成したデータはGaroonに自動で取り込まれるようにしているとのことで、各種のシステムと柔軟に連携できる、Garoonのメリットが生きた例として、会場の関心を集めていました。

 サイボウズに対しては、スペースやディスカッションの内容を外部ファイルに出力する機能が欲しいとオーダー。「これができると、年度が終わるごとに案件の保存ができる。出力機能があれば、サーバのデータ領域がひっ迫しないのに!」と、サイボウズの池田氏に迫りました。この機能はいつ実装されますか、池田さん?

ゴリ押しじゃダメ! 使わせるのではなく、使ってもらえる「Garoon」を

photo 東洋大学で情報システムの管理に携わる藤原喜仁さん。Garoonを10年以上利用する「大ベテラン」だ

 最後に登場したのは、東洋大学で情報システムの管理に携わる藤原喜仁さん。同大学は文京区白山のほか、赤羽台や板橋、埼玉の朝霞などにも拠点を持ち、約3万人の学生が在籍しています。Garoonは762人の専任教員と468人の職員などが利用しており、ユーザー数は約1800とのこと。メッセージ、スケジュール、ファイル管理、掲示板などを頻繁に利用し、デヂエ(無制限ライブラリ)も追加しています。

 Garoonの導入は2005年。それまでは約400人の事務職員がサイボウズOffice4を使っていましたが、当時の理事長から、教員を含めて本部と情報共有する仕組みを導入するよう指示があったことが導入のきっかけだったそう。藤原さんは、このときに職員と教員との立場や使い方の差が課題になったと話しました。

 「Garoonは機能としてはとても便利。直感的に操作できるのでマニュアルも操作の説明もいらない。その代わり、使う状況が“文化”としてできてないと使ってもらえない。ゴリ押しして使わせるものではなく、ここで生活してもらうということを考えなければいけません」(藤原さん)

 藤原さんは、12年の業務の中で得た運用のTipsも公開。Garoonの掲示板カテゴリでは、メッセージを見て欲しい人に向けた宛先ベースのカテゴリを作成することや、ファイル管理では「***関連」とあえて、ざっくりとした管理にすることで、組織が変わってもファイルを探しやすくするノウハウなどを紹介しました。

photo 藤原さんは、12年の業務の中で得た運用のTipsも惜しげもなく発表した

 さらに、藤原さんはGaroonでは利用者の状態を“観察”することも重要だと解説。マニュアルも講習も不要ではあるものの、事務の人間であれば、周囲の人に聞ける操作法や使い方も、個人研究室で使う先生は質問をする相手がいない。だから、電話がかかってきたときには、積極的にヒアリングして寄り添うことが大事だといいます。

 Garoonの導入事例紹介の後には、サイボウズの池田氏から、Garoonのロードマップについての発表も。チャットボットの利用やJavaScriptカスタマイズ機能の追加といったトピックが披露されました。

 90分という長丁場のイベントでしたが、皆さんの素晴らしいプレゼンにより、あっという間に終了。そして、今年はなんと大阪会場でも「俺たちのGaroon」を開催します。既に満席に迫る申し込みがあるとのことで、池田氏は「大阪の方が質疑応答が活発なイメージがあります」と期待(不安?)しているようです。Cybozu Days 2017 OSAKAにいらっしゃる皆さん、12月5日にグランフロント大阪でお会いしましょう!

イベントを終えて……秘密のアフタートーク

サイボウズ池田:90分もあったのに、時間が足りないくらいでしたね……! もっといろいろなお話を聞きたかったです。前回のイベントでは、あまり話題にならなかった「スペース」が、話題の中心になったことは驚きました。

石野:クラウド版を利用しているユーザーの比率も、前回より高かったんじゃないですか?

サイボウズ池田:そうですね。特に時期によってサイジングを調整されているエヌ・ティ・エスの古川さんの話は印象に残っています。サイボウズとしては、こういう業務こそクラウド版を使ってもらいたい……。

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ITmedia池田:そういえば最後、ユーザーの方にクラウド版の価格について詰められていましたね(笑)。1年たったから進捗を教えてほしいって。

サイボウズ池田:あれは……。でも2年連続で来てくれた人がいたのは、本当にありがたいです。イベントでは言えなかったこともいろいろあるのですが、価格についてもちゃんと考えています。ただ、キャンペーンをするにも、製品の検討期間を考えると難しい事情があって……。

石野:キャンペーンの恩恵を受ける人は、その前からちゃんと検討していた人になりますからね。それが難しいのは伝わってきます。

ITmedia池田:そういえば石野さん、ウチっていつGaroonになるんですか?

石野:それはね、今まさに経営に相談しているところだよ……。ちなみに僕は大阪には行けないから、あとは頑張ってね、池田くん。

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提供:サイボウズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2017年12月29日