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» 2018年03月23日 13時00分 公開

SaaS型ERP導入に失敗しないための「5つのポイント」:第4回 SaaS型ERP導入で考慮すべきハイブリッドクラウドのシステム構成 (1/2)

SaaS型ERPを導入する際は、業務プロセスの分類とクラウドの守備範囲を決め、システム構成を考える必要があります。クラウドとその他のソリューションを組み合わせた「ハイブリッド構成」にするメリットとともに、解説します。

[竹内孝也/KPMGコンサルティング, 伊藤圭一/KPMGコンサルティング,ITmedia]

 今回は、ハイブリッドクラウドにおけるシステム構成とその実現に向けた考慮点について解説します。

業務プロセスの分類とクラウドの守備範囲

 クラウド導入に際して、最初の重要な決定事項は、企業の業務改革やシステム刷新プロジェクトにおいて、どこまでをクラウドアプリケーションの守備範囲とするかということになります。

 クラウドアプリケーションは、基本的に主要部分にカスタマイズをしないことを前提として設計されており、標準的な使われ方に、業界のベストプラクティス、またはスタンダードプラクティスというものが織り込まれています。つまり、アプリケーションを意図されている標準的な使い方に従えば、その業務領域に関しては一から業務要件を設定することなく、最小限の工数で設計を完了できるということになります。

 また、業務プロセスモデルにしても、コンサルティングファームや導入ベンダーが業界別のものを用意している場合があり、これらを使用することで導入の工数を削減しつつ、より一般的に使われている効率的な業務プロセスを構築できます。

 それでは、どのような点を考慮すれば、クラウドアプリケーションを標準のまま使用していくことができるのでしょうか。

 それには、プロジェクトの対象となる業務プロセスを俯瞰的に見て、その中のどのプロセスが、自社にとって戦略的に重要で、高付加価値であるかということを定義する必要があります。

 戦略的に重要で高付加価値なプロセスほど、設計に時間をかける、すなわちより多くの投資をするに値するということになり、逆に基盤であり、戦略的重要性や付加価値がそれほど高くないプロセスには、なるべく時間をかけずに設計を行うという取捨選択が必要になってきます。

Photo プロセス分類の概念図(出典:KPMGコンサルティング)

 上記のプロセス分類において、それぞれのティア(分類)に属するプロセスの例は、以下のようなものになります

Photo 各ティア(分類)に属するプロセス例とアプリケーションの種類

 いったん業務分類が合意された後は、ティア3の業務は、アプリケーションの標準機能のみを使用し、ベンダーや導入パートナーから入手した業務プロセスに沿った設計を行います。

 ティア2の業務は、選択したソリューションの標準機能を最大限活用するために、カスタム開発をする場合は、ビジネスケースの作成を必須とするなど、ガバナンスを効かせます。

 そして、ティア1に属する差別化要因となる業務に対して、優先的に投資できるようにすることが重要です。

 このように、企業の全ての業務領域を単独のクラウドアプリケーションでカバーすることは現実的ではなく、特定のクラウドアプリケーションとその他のソリューションを組み合わせた「ハイブリッド構成」を採用することが一般的です。

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