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» 2018年04月12日 15時00分 公開

Microsoft Focus:DXの遅れを可視化し、打ち手をアドバイス MSが乗り出す戦略的支援とは (1/2)

DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが遅れているといわれる日本で、MSが戦略的DX支援に乗り出した。どんなサービスを提供するのか。

[大河原克行,ITmedia]

 日本マイクロソフトには、「Digital Maturity Model(デジタルマチュリティモデル:デジタル成熟度モデル)」と呼ばれる仕組みがある。

 これは、デジタルを活用したビジネス活動について、成熟度のレベルを把握するための指標で、マッキンゼーとの共同作業により、米Microsoftがグローバル共通のツールとして開発したものだ。

 このサーベイを利用することで企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む上での自らのポジションを客観的に把握できるため、最初の一歩を踏み出すのに役立つという。

 日本マイクロソフトでは、DXの4つの主要領域として、「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」を挙げているが、デジタルマチュリティモデルでは、この4つの観点から、合計で71項目の設問を用意。これに回答することで、企業における成熟度レベルを4段階で評価でき、DXを実行する上での課題を可視化できる。

 例えば、「お客様とつながる」の項目では、「デジタル広告とCLM(クローズドループマーケティング)」「顧客データの管理と分析」「テクノロジーに対応した店舗」「オムニチャネル エクスペリエンスの提供」など6分野で23の設問を用意。「社員にパワーを」の項目は、「デジタル化による人材の管理と育成」「従業員のモビリティ」など4分類18問を設定。さらに、「業務を最適化」の項目では、「デジタル資産管理」「データ主導型のサプライチェーンと物流」「フロントならびにバックオフィス業務の電子化」など4分類19問を用意。「製品を変革」の項目では、「イノベーションと概念化」「製品の開発」「製品のリリース」という3分野で11問を用意している。

Photo 図1 ビジネスドライバ大項目別の調査内容

デジタル成熟度の評価で顧客の課題を明確化

 日本マイクロソフト エンタープライズ&パートナー サービス統括本部 デジタル アドバイザリ サービス本部 本部長の丸谷淳氏は、デジタルマチュリティモデルによって「最先端のデジタル技術を活用して企業変革に必要な組織能力を定義し、DXの成功パターンと、必要な組織能力を示すことができる。そして、実現状況や実現したいレベルを評価できる」とする。

 日本マイクロソフトでは既に、国内大手企業2000社を対象にデジタルマチュリティモデルを実施し、回答を得ている。

 回答は建設業、製造業、情報通信・インフラ、運輸、小売、金融、サービスの7業種を対象に集計。内訳は99.3%が日本に本社を置く企業であり、0.7%が外資系企業。従業員数1万人以上の企業は52.9%を占めている。

 これは、現在の日本企業におけるDXの進捗具合を浮き彫りにする指標の1つになり、この結果をベンチマークとして比較することで、自らのポジションを把握することができる。

 同調査によると、71項目の全体集計で、成熟度レベルが「遅れている」企業は44%、「適応中」が24%となり、成熟に満たない企業が7割近くを占める結果になった。

Photo 図2 全体の平均値

 日本マイクロソフトでは、「情報通信/インフラや小売などの業種を中心に、『お客様とつながる』といったことへの取り組みは進んでいるが、製品の改革につなげるという点で遅れが目立つ。また、業種別で最も成熟度が高いのが金融分野だが、運輸業での取り組みが全体的に遅れているという結果が出ている」とする。

 4つの大項目のそれぞれの集計結果を見てみよう。

Photo 図3 業種別取り組み進捗の平均値

 最初の「お客様とつながる」では、成熟度4段階の評価において、平均値は2.14点となった。情報通信・インフラが2.41点と最も進んでおり、一方で、製造業(1万人未満)が1.69点と最も遅れているという結果になった。「成熟度レベル4の企業が22.1%と最も多いが、成熟度レベル1の企業が全体の43%を占めていることは課題だといえる」とした。

 なお、「お客様とつながる」における各種取り組みのうち(図1参照)、「デジタル広告とCLM」が進んでいることが明らかになっている。

 2つ目の「社員にパワーを」では、平均値は2.07点となっているが、やはりここでも成熟度レベル1の企業が41.9%を占めていることが課題として指摘されている。成熟度レベルが4の企業は14.7%となっている。業種別では、情報通信・インフラの平均値が2.23点で最も進んでおり、運輸業が1.87点と最も遅れている。

 「社員にパワーを」の各種取り組み(図1参照)の中では「生産性とコラボレーション」における成熟度が高いが、その他の項目は、この項目全体の平均を下回っており、特に、「テクノロジーに対応した従業員エンゲージメント」に遅れが出ていることが分かった。

 3つ目の「業務を最適化」では、平均値が1.91点と2点を割り込んだ。成熟度レベル1の企業は約47%に達しており、業種別では金融が2.18点と最も高く、最も低い運輸は1.64点となった。金融は成熟度レベル4の企業は20.7%に達しているのに対し、運輸は約6割が成熟度レベル1にとどまっている。

 「フロントならびにバックオフィス業務の電子化」が成熟度が高いが、それ以外の項目での成熟度が低い」(日本マイクロソフト)という。

 「製品を改革」は、4つの大項目のなかで最も成熟度レベルが低く、平均値は1.88点にとどまった。成熟度レベル1の企業が約半数(48.6%)を占めるという状況だ。また、業種別ではサービスが2.14点と最も進んでいるのに対して、運輸は1.44点にとどまった。「製品を改革」における各種取り組み(図1参照)の中では「製品の開発」が最も成熟度が高いが、それでも1.94点と2点を下回ったという。

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