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» 2018年04月26日 08時00分 公開

横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(2):デカすぎるWindows 10のアップデート、企業内ネットワークがダウンする可能性も? (1/2)

Windows 10への対応に合わせて、レンタルPCの運用を見直すことになった横河レンタ・リース。まず着手したのは、レンタルPCビジネスの根幹ともいえる「クローニング」の部分だった。

[松尾太輔,ITmedia]

 こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。前回の連載では、Windows 10への移行をきっかけに、「所有から利用」というトレンドがPCの世界で進むと説明しました。まずはそれについて、もう少しだけお話しさせてください。

 最近では、PC以外の世界においても同じことが起きています。「モノ」を売るのではなく、それを利用する体験(コト)を提供するサブスクリプションサービスです。例えば自動車。米国ジョージア州のアトランタでは、ポルシェが月額2000ドル(約21万円、2018年4月現在)の乗り放題サービス「ポルシェ・パスポート」を2017年11月に始めました。ポルシェという車(モノ)を買って所有するのではなく、ポルシェというブランド車に乗る体験(コト)を買うという典型的な例でしょう。

 月額20万円というと、高く感じる人もいると思いますが、初期費用(登記料)や税金、保険料、洗車やワックスがけを含むメンテナンス費用も全て含まれているため、実はそれほど高額ではないのかもしれません。

photo 月額制のポルシェ乗り放題サービス「ポルシェ・パスポート」(出典:ポルシェ)

 同じような形で、メンテンナンス費用(=運用)が組み込まれたPCのサブスクリプションサービスもあります。米国では、HP(Device as a Service)やDell、Lenovo(PC as a Service)など各PCメーカーが提供しており、Windows 10の登場もあってか、利用する企業が増えているようです。

 日本でもHPがサブスクリプションサービスを行っていますが、こと日本においては、PCメーカーのサービスよりも、マルチベンダーの機器を取り扱う「レンタルPC」の方が浸透しています。米国でサブスクリプションサービスが生まれる前から、日本にはレンタルPCというビジネスがあったためでしょう。

レンタルPCの根幹部分「クローニング」に問題発生

photo レンタルPCでは、基準となるPCの設定をクローニングすることでキッティングを行っている(写真提供:アフロ)

 さて、横河レンタ・リースも取り扱っている「レンタルPC」というのは、運用が組み込まれたサービスであることが特長ですが、Windows 10になって、その運用を見直さざるを得なくなったのです。弊社では、まずレンタルPCの根幹部分である「クローニング」から着手しました。

 半年周期で新バージョンがリリースされるWindows 10では、OSのサポート切れを防ぐため、頻繁にアップデートを行う必要があります。レンタルPC事業者の私たちとしては、すぐに次のような課題が浮かびました。

  • アップデートのたびにマスターPCを作り直すのか?
  • アップデートに合わせて、毎回アプリケーションを検証するのか?
  • アプリケーションを常にアップデートすべきか?

 多くの企業では、ユーザーにPCを渡す前に、必要なアプリのインストールや設定をIT部門が行います。その作業を全て人力で行うのは大変なので、基準となるマスターPCを「クローニング(コピー)」することで、同じアプリや設定を適用したPCを“大量生産”するのが一般的です。

 弊社のレンタルPCでは、クライアントからマスターPCのイメージを預かり、初期展開時だけではなく、故障交換時の再セットアップにも使います。こうすることで故障交換時の対応を無償にしているのです。このように、トラブル時の突発的な対応費用が不要なことが、「レンタルPCには運用が組み込まれている」といわれる最大のポイントになります。

 しかし、Windows 10では、この預かっているマスターイメージ自体が“賞味期限切れ(=サポート切れ)”を起こすため、常に作り直す必要が出てくるのです。

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