AIが問い合わせ対応業務のFAQ化を支援 NTTデータ先端技術が「Quick Reply」を発表

NTTデータ先端技術は、メール問い合わせ対応業務で生じるナレッジの蓄積、活用をAIで支援するクラウドサービス「Quick Reply」を開始。対応事例を基にしたFAQ作成や、AI検索による回答メール作成支援などの機能を提供する。

» 2018年05月24日 12時45分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 NTTデータ先端技術は5月23日、メールでの問い合わせ対応業務向けに、AIを活用して業務ナレッジの蓄積と活用を支援するクラウドサービス「Quick Reply」の提供を開始した。

 Quick Replyは、普段利用しているメーラー環境にアドインとして導入でき、問い合わせ対応の「FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)」化、回答文作成時のFAQ検索、AIの回答精度を向上させるための学習データの登録などが可能。いったん登録されたFAQは、クラウドに蓄積され、他の担当者も活用できる。

 同製品により、企業はメールでの問い合わせ業務を効率化できる他、特定の個人にナレッジが集中する業務の属人化を避け、業務改善や働き方改革を推進できるという。

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 Quick Replyは、主な機能として「FAQ登録」「FAQ検索」「学習データ登録」「FAQ・学習データ管理」の4つを備える。

 FAQ登録は、問い合わせメールの質問文(Q)と回答文(A)を、Quick Replyの「回答作成」画面に入力することで、FAQとして登録。普段の問い合わせ対応業務の流れでFAQ登録ができるため、FAQがゼロの状態からでも、ナレッジの整備が容易になるという。

 FAQ検索は、問い合わせメールの文中で検索したい部分を選択し、右クリックメニューから「FAQ検索」を選択することで、サイドウィンドウにAIが選定した回答候補を表示する。検索結果は、ワンクリックで返信文に挿入でき、返信文の作成を支援する。

ALTALT 「FAQ登録」(左)と、「FAQ検索」(右)の画面操作イメージ

 学習データ登録は、FAQ検索の結果として表示される回答候補の中から、正しい回答(採用する回答)を選択することで、FAQの学習データを更新できる機能。通常のメール返信を行う作業の中で意識をせずに学習データの更新ができ、業務の効率化を図りながら、業務に即したAIの回答精度向上が可能になる。

 また、FAQ・学習データの管理機能は、ブラウザでアクセスできる管理画面を備え、FAQや学習データの追加や編集を効率的に行える。FAQの参照回数や日ごとの統計など、さまざまな分析機能を活用しながらのメンテナンスが可能になる。

ALTALT 「学習データ登録」の操作イメージ(左)と、FAQや学習データの管理画面のイメージ

 同製品の価格は、10ユーザーまで登録可能なエントリーモデルで月額9万8000(税別)。今回のリリースでは、「Microsoft Outlook」に対応したアドインを提供し、「Gmail」「Office365」にも順次対応予定としている。

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