Windows 10のアップデートには、こういったトラブルもつきものです。これは、新バージョンに対応していないアプリやデバイスドライバ、設定などがあるとロールバック(前のバージョンに戻す)してしまうことが原因です。
最近のWindows 10はだいぶ賢くなっており、新しいバージョンが正しく動作できないと判断するとすぐに自動でロールバックしてしまいます。ユーザーからすれば、「何度バージョンアップしても、旧バージョンに戻ってしまう」となるわけです。
ロールバックを起こす原因を取り除けば、それはなくなるのですが、この原因を突き止めるのは非常に難しいでしょう。ウイルス対策ソフトや認証系、セキュリティ系のアプリの対応を確認して、不要なデバイスを取り外してもこの現象が繰り返される場合は、Windows 10を初期化するのが一番早い解決方法です。当然、各種設定やアプリ、データは消えてしまいます。
このように、現在のところ、Windows 10は初期化しなければならない状況に陥ることがしばしばあります。そのためにも、初期化した後に設定やアプリをリモートから再セットアップできるようにしておく必要があるでしょう。
従来のPC運用だと、出荷前に設定やアプリを決めてそれっきりという「プリインストール」が一般的でしたが、昨今は、iOSやAndroidをはじめとして「設定やアプリはユーザー自身がダウンロードするもの」であり、それがWindows 10における「常識」です。そのための環境は用意しなければいけません。
先ほど「データレス」についてお話ししましたが、この問題でも同じことがいえます。たとえトラブルが起こっても、PCを交換して設定やアプリを復元できれば、すぐに業務に復帰できるため、影響を最低限に抑えられるのです。
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