2005年秋版「おサイフケータイの基礎知識」・前編 特集:FeliCa携帯本格始動 (1/3 ページ)

» 2005年09月27日 09時41分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 FeliCa機能を内蔵した携帯電話、通称「おサイフケータイ」が登場したのは、2004年6月16日のことだ。翌7月にはおサイフケータイ第1号機である「P506iC」(2004年7月28日の記事参照)が発売された。

 それから1年が経ち、8月にはau初のおサイフケータイ「W32H」「W32S」が(7月11日の記事参照)、9月にはボーダフォン初のおサイフケータイ「703SHf」が発表され(9月20日の記事参照)、携帯3キャリアからおサイフケータイが出揃うことになった。

 また、関東エリアで高い普及率を誇るJR東日本の非接触IC乗車券「Suica」も2006年1月からおサイフケータイに対応する。Suicaがおサイフケータイに入ることで、おサイフケータイの普及は一気に進むだろうと予測されている。

 「FeliCa携帯本格始動」と題した特集を開始するにあたり、FeliCaとおサイフケータイについての基本的な情報を2回に分けてまとめる。

非接触ICカード「FeliCa」

 まず簡単に、FeliCaについておさらいしておこう。

 一般に、プラスチックカードにICチップが埋め込まれたものを「ICカード」といい、このうち、情報を読み取るリーダー/ライターとカード表面との間に物理的な接点が不要なものを「非接触ICカード」という。FeliCaは非接触ICカードの1種で、FeliCaカードの中には、ICチップ(FeliCaチップ)のほか、CPU、アンテナなどが内蔵されている。

カードタイプのFeliCaと、リーダーライターの仕組み。ソニーのWebサイトより引用

 カードタイプのFeliCaの中で、最も普及しているのが、JR東日本のSuicaだろう。プリペイドで入金して繰り返し使える乗車券で、定期券タイプもある。最近では駅構内のコンビニエンスストアや飲食店を中心に、電子マネーとしても利用できる場所が増えてきている。ロッカーの鍵として利用するなどの試みも始まっている(3月4日の記事参照)

 また電子マネー「Edy」も、普及率の高いFeliCaカードと言える。am/pmやサークルKサンクスといったコンビニエンスストアチェーンを始め、コーヒーショップ、ドラッグストア、デパートなど、利用できる場所が増えてきている。横浜中華街(7月26日の記事参照)やお台場(2004年12月17日の記事参照)、道後温泉(1月31日の記事参照)のように、エリア全体で面展開している場所も多い。

 会員証という用途もある。ドラッグストアのマツモトキヨシや(4月5日の記事参照)、大手家電量販店のヨドバシカメラなどでは、FeliCaを内蔵したカードタイプの会員証を発行している(8月31日の記事参照)

上はEdy機能を含む全日本空輸のマイレージカード、下はJR東日本のSuica
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