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» 2002年01月11日 00時00分 UPDATE

XPのアップグレードインストールで,以前のデータが消失してしまった

[森川拓男,ITmedia]

 WindowsXP Home EditionからWindowsXP Professional,Windows98/MeからWindowsXPなどへアップグレードすると,一部のデータが消失することがある。また,WindowsXPを上書き再セットアップした場合にもデータが消えることがある。こういうトラブルが起こっても大丈夫なように,必ず作業前に必要なデータのバックアップを取ってから行なおう。

1)Windows98/98SE/MeのいずれかからWindowsXPへアップグレードを行った場合

 Windows98/98SE/Meにおいて,ユーザ名の最後にピリオド(.)を利用している場合,WindowsXPへアップグレードする過程で以下のメッセージが表示されることがある。

[ユーザ名]のアカウントを作成しているときにエラーが発生しました。 このユーザの設定は失われます。

 この場合は,アップグレード後に,スタートメニューのショートカットやスタートアップグループのアイテム,共有ドキュメントの中に含まれる文書や,画像,音楽ファイルなどが失われる可能性がある。これはユーザー名の最後にピリオド(.)を利用していて,XPにアップグレード後に,フルパスで半角256文字を超えるディレクトリ構造内にファイルがあるためだ。

 解決策としては,WindowsXPがインストールされるドライブに「user~tmp.@01\common Profiles\user_name」フォルダが作成されて,Windows98/98SE/Meで使用していたユーザ情報が格納されているので,その情報(ファイルやフォルダ)をWindowsXPで使用するユーザプロファイル(Documents and Settings\ユーザ名)にコピーすればよい。

2)WindowsXPの再インストールや修復を行ったり,WindowsXPへのアップグレードを実行した場合

 All Usersフォルダに格納したデータや,Default Usersフォルダに格納されたプログラムのデフォルトのテンプレートや設定が失われることがある。このとき,スタートメニューのショートカット,スタートアップ項目,ドキュメント,画像,音楽ファイル,または共有ドキュメントフォルダに保存されたファイルも,同時に失われることがある。これは,プリインストールされたWindowsXPで次のいずれかの動作を行なった場合に発生することがある。

・Winnt32.exe を実行後に「アップグレード(推奨)」 をクリックするか,WindowsXP CD-ROMを挿入すると表示される「Microsoft WindowsXP」画面で「WindowsXPをインストールする」をクリックすることで同じフォルダにWindowsXPを再インストールした場合

・WindowsXPのCD-ROMからパソコンを起動し,Enterキーを押してWindowsXPセットアップを開始してから,Rキーを押してWindowsXPの回復コンソールを利用した場合

・メーカーによってプリインストールされているWindowsXP Home Editionを,WindowsXP Professional製品版にアップグレードした場合だ。メーカーによってプリインストールされたハードディスク上の「\Windows\System32」フォルダにUndo_guimode.txtファイルが存在していると,先の操作のいずれかを実行するときに,データ消失が発生することがある。Undo_guimode.txtファイルは,WindowsXPがプリインストールされたマシンを最初に起動するときに実行されるウィザードが作成するものだ。失われたデータとプログラムのショートカットは復元できないので,バックアップから復元するしかない。

画面
「アップグレード」は過去の資産が引き継げるので便利だが,条件によってはデータが消失してしまうので注意しよう。インストール前にデータなどのバックアップを取ることを忘れないようにしよう

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