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» 2005年03月09日 12時00分 UPDATE

システム部門Q&A(19):素人IT部長に望むこと(2) (1/3)

前回は素人IT部長に求められる姿勢を、反面教師的にブラックユーモアたっぷりに紹介した。今回は、スーパーマンにしか実行できないような“あるべき論”ではなく、一般的な素人部長でも実現できる身近な問題対策から説明する。

[木暮 仁,@IT]

質問1

素人IT部長の私にもできることを教えてください

前回の「素人IT部長に望むこと」で質問した者です。前回の内容はブラックユーモアなのでしょうが、あまりにも無責任な内容で憤慨しています。私は真剣に企業のことを考えており、自分の任務を全うしたいのです。でも、「教科書的な話」は、どうも超人的な能力が必要なようで、私には到底できないような気がします。私にもできるようなアドバイスが欲しいのです。



大げさなあるべき論

 とかく「教科書的」なあるべき論にはついていけないところがあります。低次元のようにみえますが、もっと身近なことから実践する方が効果的だと思います。

   (1)スーパーマンはいない    

 先進企業の成功例がはんらんしていますが、その多くは「経営者が明確な方針を示し、推進リーダー(ここでは情報システム部長としましょう)が超人的な努力をし、さらに周囲の理解も得て、全社一丸となって努力した結果、多くの困難を克服できた」というような内容です。また、CIO(IT関係の最高責任者)に求められる資質や能力として、経営に関する深い知識と情報技術動向への洞察力があり、経営者、利用部門、部下などへの説得力にたけ、目的達成への強い信念をもってリーダーシップを発揮できる……などが挙げられます。

 経営課題の解決にそれほど信念を持てるか、重要性を認識できるか、推進にそれほどの気概があるか、周囲を説得できる能力があるかなど、自分を省みると、とてもダメだと思ってしまいます。このような思いからご質問されたのだと思います。でもこのようなスーパーマンはまれでしょう。

 ここでは高邁(こうまい)な理想論ではなく、普通の能力、普通の努力でも、素人部長ができることを考えます。また、あまり情報化(IT化)の成熟度が高くない環境を前提にします。

 (2)「情報」システムより「業務」システム    

 そもそも「情報」システムというから、ハードウェアやシステム開発などが気になるのです。情報システムは、業務の仕方をルール化して規制するものですから、情報システム以前に、業務の仕方の改善や改革を考える必要があります。業務システムをどのようにするかが決まれば、それを情報システムにすることは部下に任せてもよいでしょう。すなわち、あなたは「情報」システムではなく「業務」システムなのだと理解することが適切です。

 部外、特に地方の支店長から情報システム部長になったのは、業務の立場、しかも顧客から見た業務の立場で、情報システムを見直そうという経営者の思惑があったのだと思われます。すなわち、「顧客の観点から業務システムを変革すること」こそが、あなたの任務なのではないでしょうか。

 しかし、そのような流れでは「経営戦略と情報戦略との統合が情報システム部門の任務」となって、「情報システム部門を戦略部門として経営の中枢に〜」などという大げさな話になりがちであり、結局は「到底、私には〜」となってしまいます。

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