TCO(てぃーしーおー)情報システム用語事典

total cost of ownership / 総所有コスト

» 2005年08月14日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 コンピュータ・システムの導入、維持・管理などに掛かる総経費を表す指標のこと。その総費用そのもののことを指す場合もある。米国の調査会社、ガートナーグループが提唱した。

 企業が情報システムを構築・運用する場合、ハードウェアやソフトウェアの購入費(保守料・ライセンス費)やシステム開発費といった直接的な費用のほかに、“隠れたコスト”が発生する。TCOはこの隠れたコストを含めて、システムを利用するのに必要なすべてを合算したものであり、システム投資を行う場合の意思決定や運用時の無駄な経費を抑制するために使われる指標である。

 隠れたコストとは、(将来的な)アップグレード費用、システム部門やシステム管理者の人件費(エンドユーザーへの教育やヘルプに費やすサポート費用を含む)、エンドユーザーの人件費(インストールやセットアップなどの作業、部署内ヘルプやサポート作業分)、システムダウンやパフォーマンス低下などによる業務上の損失およびトラブルシューティングなどが含まれる。

 システム投資を考える際には、初期導入費だけではなく、隠れたコストを含むシステムのライフサイクルを通じてのすべてのコストを勘案することが大切だというのが、TCOの考え方である。TCO削減のソリューションとして、シンクライアント・システムやASPなどが提唱されることが多い。

参考文献

▼『TCOで企業が変わる??システム運用管理の隠れたコストを洗い出す』 丹羽奈津子、片岡英明、荒田元、阿部聖至、石見卓也=著/トッパン/1998年4月

▼『TCO経営革新??情報化投資の経営価値を問い直す』 内山悟志、遠藤玄声=著/生産性出版/1998年5月


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ