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» 2006年12月08日 12時00分 UPDATE

―Microsoft Officeのお買い得感はいかほど?―:Office互換ソフト市場の行方 (1/2)

仕事には必須だが「予算」を考えると大きな支出になる--。これは筆者がMicrosoft Officeを購入して感じた素直な感想である。個人事業主として、パソコンやプリンタを買いそろえていく際、最後まで購入すべきかどうか迷ったのがMicrosoft Officeだった。

[三浦優子,@IT]

「Office互換」をアピールした製品の登場

 パソコンを購入する際、Microsoft Officeをバンドルしているものと、していないものを比較すると単価に約1万円の差がある。しかも、パソコンにバンドルされるのはWordとExcelで、PowerPointはバンドルされない。

 散々迷った結果、パソコンへのバンドルではなくMicrosoft Office 2003 Standard Editionのパッケージを購入した。予算が限られている中で痛い支出ではあるが、仕事を円滑に進めるためにはPowerPointを含めた製品をそろえる必要があると判断したからだ。

 それから3年、新バージョンthe 2007 Microsoft Office systemが発売になる。バージョンアップを行うべきかどうか、再び予算をにらみながら頭を悩ませている。現在利用しているMicrosoft Office 2003もあるし、各社から「Office互換」をアピールした製品が発売されている。「予算」を優先するのであれば、3年前以上にさまざまな選択肢が用意されているからだ。

 おそらく、社員の1人として企業で働いている人なら、Microsoft Officeの価格はあまり気にならないだろう。個人として、Microsoft Officeを購入するということになれば、価格を検討することも出てくるだろう。が、個人で使うことを考慮して、「使わないで我慢する」といった選択肢も可能になるかもしれない。

 だが、「仕事」となると、我慢で済ませるわけにはいかない場面が出てくる。コミュニケーションが電子メールで行われることが当たり前となっている現在、ExcelやWord、PowerPointの添付ファイルが送られてくることもしょっちゅうだ。それを、「ソフトがないので見ることができません」と断っていたら、とても仕事にはならない。これは筆者がライターとして仕事をしているから特別ではなく、電子メールを日常的に利用する業務であれば、ほとんど誰にでも当てはまることではないか。

低価格をアピールポイントにする競合製品

 現在、市場ではいくつものMicrosoft Officeの競合製品が販売されている。

 「Microsoft Officeは高過ぎる」とアピールし続けているのがソースネクストだ。同社は2003年2月に、「コモディティ戦略」として1980円でソフト販売を始めた。低価格をセールスポイントとしているだけに、その比較対象としてもマイクロソフトというのは欠かせない存在となっているようだ。

 Microsoft Officeに対抗する製品として、「スタースイート」「Lotus SuperOffice」という2つの統合オフィスソフト、プレゼンテーションソフト「超互換プレゼン」を販売している。ただし、価格は「超互換プレゼン」は税抜きで1980円だが、「Lotus SuperOffice」は2970円、「スタースイート」の最新版「スタースイート8」の特別限定版が税抜きで3970円と1980円よりはちょっと高めとなる。もちろん、それでもMicrosoft Officeに比べればずいぶん安価である。

 ソースネクストの社長 松田憲幸氏は、これらの製品を販売することで、「ユーザーの選択肢を増やすことができる」ことを繰り返し訴えてきた。Microsoft Officeの価格についても、「簡単には購入できない価格になってしまっている」という見方を示している。

 ただし、ソースネクストが販売しているオフィスソフトには、機能や操作性という点で「Microsoft Officeができることなら、何でもできる」というわけにはいかない。Microsoft Officeの操作に慣れたユーザーにとっては、操作で戸惑う場面も出てくるだろう。また、「Lotus SuperOffice」については、新しい製品が開発される予定がないことから、さらなる機能改善を望むユーザーには向いていない。

 ソースネクストの製品をはじめ、「Office互換」をセールスポイントとしたソフトは多いが、中国に本社を持つキングソフトが発表した「Kingsoft Office 2007」は、ユーザーインターフェイスもMicrosoft Officeに近づけた製品だ。販売をダウンロードに絞り込み、価格も4980円に抑えた。

 あまりに見た目もそっくりだったため、記者会見の際には、「著作権や特許的に問題はないのか?」という質問まで飛び出したほどだ。それに対しキングソフトでは、「弁理士に特許、著作権で問題がないか確認し、ユーザビリティの追求からこのスタイルが最適と判断した」(キングソフト代表取締役 広沢一郎氏)と説明した。

 確かにマイクロソフト製品のユーザーインターフェイスになじんだユーザーにとっては、違和感なく利用できそうだ。

 ただし、機能で比較すればマイクロソフト製品の機能すべてが用意されているわけではなく、またアプリケーションの中にはデータベース製品は含まれていない。

 いずれの製品も、パソコンやソフトを使い慣れているユーザーであれば、問題なく利用できるのではないか。多くのユーザーがMicrosoft Officeのすべての機能を使いこなしているわけではないことを考えると、「競合製品でも十分」というユーザーも多いのが実情ではないか。

 そのために、どんなアプリケーションを、どう使うのかを明確にしたうえで、競合製品の機能を細かくチェックして、導入するか、否かを決めることが最善の方法といえるだろう。

 ただ、「パソコンは会社の事務作業で使うだけなので、マイクロソフト製品以外のアプリケーションはほとんど利用しない」というレベルのスタッフがいる場合は、作業効率が落ちる可能性もある。

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