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» 2008年03月10日 00時00分 UPDATE

国際会計基準とのコンバージェンス対応では約7割が未完了:日本版SOX法向けの文書化作業は約6割の企業が終了

[大津心,@IT]

 べリングポイントは3月10日、経理・財務部門における成熟度調査の結果を発表した。調査によると、日本版SOX法対応はまずます順調に進んでいるものの、国際会計基準とのコンバージェンスにおける変更対応では約7割が未完了であることが判明した。

 調査は日本CFO協会の協力の下、2008年1月に実施。無作為に抽出した上場企業500社の財務担当役員宛てに調査表を送付し、64社(約13%)から回答を得た。回答企業は、製造業が69%、卸売業が14%、小売業が3%と続く。売上高は5000億円以下が36%、1000億以下が25%、1兆円以上が23%だった。

グラフ 財務会計の水準をグラフ化したもの。日本版SOX法関連では62%の企業がレベルB以上を達成している

 財務会計においては、2008年度より大きく2つの対応を迫られている。1つ目は「財務報告に係る内部統制」(日本版SOX法)、2つ目は国際会計基準へコンバージェンスするための会計基準変更への対応だ。日本版SOX法への適用ではここ数年さまざまなところで話題に上っている影響からか、最も工数がかかり大変だとされている「文書化作業」を約60%がすでに完了させていると回答しており、「比較的順調に推移している」と同社はコメントしている。

 一方、会計基準変更への対応では、2008年度の変更部分に対する対応においても約70%の企業が未完了だった。この変更対応は、国際財務報告基準(IFRSs)と日本の会計基準の差をなるべく少なく(convergence)すべく、日本の会計基準の独自性を保ちつつ、変更するべきところは変更するというもの。具体的には、2007年に企業会計基準委員会(ASBJ)が発表した「東京合意」の下で、「国際会計基準と大きく差異がある」とされる26項目を2008年までに変更しなければならない。これの変更に対し、約70%が未完了だという結果に対して、ベリングポイントは「対応の遅れが目立つ」とコメントした。

 また、シェアードサービスセンターへの集約やアウトソーシング化など、会計周辺業務の標準化・効率化では、90%以上の企業が「進んでいない」と回答。大きな課題となっていることが分かった。

 原価管理、収益管理においては、特に連結売上高1兆円超の企業において、連結ベースでの製品・顧客別の十分な管理・分析がなされていないことが判明したという。また、新規事業・不採算事業の評価に関しては、「新規投資の実施可否や投資実行後の採算評価に関して十分な分析がなされているといえない」と同社は分析している。

 ベリングポイント ワールドクラス・ファイナンスチーム 川野克典氏は、「直面する課題に追われ、経理・財務部門の抜本的変革が遅れている実態が明らかになった。経営者は、日本版SOX法や一連の会計基準の変更を単なる経理・財務部門の問題ととらえるのではなく、経営を行う上での基本的ルールの変更であると認識する必要がある」と指摘した。

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