データセンター建設の設計段階からコンサル、日本HP新たにITインフラ全体のコンサルティングをメニュー化

» 2008年06月02日 00時00分 公開
[西村賢@IT]

 日本ヒューレット・パッカードは6月2日、企業のデータセンター変革を支援する製品・サービス群「HPデータセンター・トランスフォーメーション・ポートフォリオ」(HP DCTポートフォリオ)の国内展開を発表。サーバ統合、仮想化、コンサルティングで新たに3つの製品・サービスを発表した。

 「HPデータセンター・コンソリデーション・サービス」(HP DCCサービス)は、データセンター統合を計画する企業に対して戦略策定から実際の移行までを支援するサービス。ビジネス要件や現状のIT資産、システム構造の分析に基づいて最適なデータセンター統合の戦略策定を支援する。

 「HPデータセンター・バーチャライゼーション・サービス」(HP DCVサービス)は、仮想化を用いたデータセンターの効率化を計画する企業に対して、戦略策定から実際の移行までを支援するサービス。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員コンサルティング・インテグレーション統括本部 統括本部長 高橋訓氏

 「HPクリティカル・ファシリティ・サービス」は、同社が2008年2月13日に買収を完了した米EYPミッション・クリティカル・ファシリティーズのノウハウをベースに提供するコンサルティングサービス。EYP MCFは、建築・設計業の米EYPアーキテクチャ&エンジニアリングから2001年に分社独立した企業で、グローバルで350人のエンジニアを抱える。床面積が2000平方メートルを越える大型データセンター向け施設の企画・設計に特化していて、これまでに50以上のデータセンターの企画・設計に従事した実績があるという。大規模な事例として、Fortune 500にランクする大手のグローバル金融機関向けに床面積2万平方メートル、建物と電源設備などIT設備や土地を含まない総工費が110億円のデータセンターを建設した事例があるという。設計に6カ月、建設に20カ月を費やした。

 HPクリティカル・ファシリティ・サービスでは、ビジネスニーズの分析、戦略策定や移行計画の策定、実際のデータセンター施設の設計・開発、建築後の検証などを行う。サービスは「戦略策定」、「設計」、「検証」で3段階に分かれており、特定サービスだけを利用することも、3段階すべてをHPに委託することもできる。コンサルティング費用は「建設費用の数%程度」(テクノロジーサービス統括本部 サービスビジネス開発本部 クリティカル・ファシリティ・サービス ビジネスマネージャ 新井啓之氏)だ。

 EYP MCFはこれまで日本法人を持っていなかったが、今後は日本HPを拠点にして日本でのビジネスを展開する。これまでにも日本の建築会社と協業した実績があり、「顧客の事情を勘案して、建築会社を選ぶが、パートナーは今後も増やしていく」(新井氏)としている。

 これまでにもHPはサーバ統合や仮想化の分野ではソリューション、コンサルティングサービスを提供していた。今回新たにデータセンターの建物や設備まで含めたメニューをそろえることで、ITインフラ、アプリケーション、運用・管理とすべてのレイヤで統一的にコンサルティングに関わることで強みを出していきたい考えだ。新サービス提供の背景を同社は「約1/3のCEOとCIOが、(現在運用中のデータセンターでは)2〜5年でサービスやアプリケーションの拡大需要に対応できなくなると考えている。約半のCIOが今後5年以内にデータセンター統合を含む、データセンター変革を計画している」(執行役員コンサルティング・インテグレーション統括本部 統括本部長 高橋訓氏)と説明している。

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