SOAで銀行チャネルを統合、富士通が金融向けフレームワーク：窓口端末、ATM、オンラインバンキングを連携可能に

[垣内郁栄，＠IT]

　富士通は7月22日、銀行の窓口対応、ATM、オンラインバンキングなどの複数のチャンネルを統合して運用できるSOAベースのソリューション「EVOLUO-Channel Integrator」を発表した。富士通の金融ソリューション開発本部 本部長の吉田春男氏は「これまでホストに依存していた各チャネルの連携を可能にする」と話した。

　EVOLUO（エヴォルオ）は富士通が2006年から展開している金融向けソリューション。今回の発表の柱はSOAベースの「チャネルフレームワーク」の提供だ。このフレームワークを使うことで、銀行の店頭窓口端末やATM、オンラインバンキング、バックエンドのCRM、取引監視システム、顧客データベースなどを連携させることができる。従来は各チャネルがホストと密に連携していたため柔軟性が低かった。

富士通の金融ソリューション開発本部本部長の吉田春男氏

　チャネルフレームワークを適用することで、複数のチャネル管理画面を1つにまとめることが可能になる。顧客データベースを参考に、年齢など顧客の属性に応じたサービス提供も実現する。富士通の営業店勘定システム「Financial Business Components」とチャネルフレームワークを接続することもでき、勘定画面の口座番号とCRMを連携させる機能などを提供する。Ajaxにも対応し、操作性の高いインターフェイスを実現できるという。

　富士通は窓口オペレーターの端末に業務処理の手順を表示する「事務ナビゲーションシステム」や、不正取引をチェックし、通知する「取引監視セキュリティサービス」、店舗別の業務処理量を時系列で把握できる「事務量可視化サービス」も発表した。これらのシステム、サービスもチャネルフレームワークと接続し、ほかのチャネルと連携できる。

　価格はそれぞれ同時ログイン数で決まる。中規模の地方銀行レベルが相当するセッション数301〜800のMランクの場合、チャネルフレームワークの標準価格は年間2400万円。事務ナビゲーションシステムなどのオプションをすべて利用すると年間5500万円になる。各システム、サービスの提供開始は2009年1月から順次。富士通は5年間で150億円の売り上げ、50社への導入を目指す。