「どんな車もフェラーリに」、データセンターの運用効率を最大化日本ラドウェア、「Business-Smart Data Center」戦略を発表

» 2008年10月14日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本ラドウェアは10月14日、プレスセミナーを開催し、「Business-Smart Data Center」戦略について解説した。「仮想化やSOAの活用によってリソースを集約・統合する動きが活発化する中、SaaSなどの提供窓口となりつつあるデータセンターでは、より効率的な運用が求められている」(イスラエルのラドウェア本社 プレジデント&CEO ロイ・ジザペル氏)として、9月15日に発表したデータセンターの仮想化環境を最適化する製品「Virtual Director」をはじめ、今後18カ月にわたって、データセンターにおける仮想化環境を支援する製品群を発表していくという。

 固定資産を持たず、状況に合わせて合理的にITシステムを活用できることから、SaaS、PaaSの利用が現在加速している。データセンターはそうしたサービスの提供窓口として機能するようになりつつあるが、コスト削減、事業継続性、業務環境の変化に迅速に対応できる柔軟性の確保、コンプライアンスなど、データセンターに対する顧客企業のニーズも年々高まっている。

写真 イスラエルのラドウェア本社 プレジデント&CEO ロイ・ジザペル(Roy Zisapel)氏

 ロイ・ジザペル(Roy Zisapel)氏は、「IT要件は、必ずビジネス要件に基づいて考えることが大切」として、データセンターにコストと品質の両方が求められている状況下では、「仮想化環境を構築するとともに、サーバなど共有リソースの適正な配分や、アプリケーションのSLA維持などが重要なポイントとなる」と指摘した。Business-Smart DataCenter戦略のコアも、一連のソリューションを通じて、ビジネス要件に基づいたあらゆるIT要件の実現を支援することにあるという。

 その第1弾として発表したVirtual Directorは、データセンターにおける仮想化環境の効率化を実現する製品。サーバをはじめとするリソースの稼働状況を監視し、アプリケーションの応答時間を改善しつつ、リソース配分を自動的に最適化する。例えば、CRMとERPで限られた数の物理サーバを共有している場合、それぞれの稼働状況をリアルタイムに監視して、適切にサーバ容量を配分し、SLA維持、QoE(ユーザー体感品質)向上とコスト削減を両立するという。

 Webシステムのトラフィックをコントロールし、アプリケーションレベルでのパフォーマンス、可用性、セキュリティを最大化する同社の負荷分散装置「AppDirector OnDemand Switch」と組み合わせて使うことを前提としており、Virtual Directorは657万7200円、AppDirector OnDemand Switchは278万2500円となっている。

 ロイ氏は「今回の戦略でリリースする一連の製品群は、いわばアプリケーションとネットワークを確実につなぐための接着剤のようなもの。中でもAppDirector OnDemand Switchを使えば、どんなアプリケーションでも高速で快適に使えるようになる。例えるなら、どんな車を買ってもフェラーリのパフォーマンスが味わえるようなものだ。Virtual Directorと併用することで、データセンターの運用効率をはじめ、信頼性、サービス品質をいっそう強力に支援できる」と強調した。

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