キヤノンソフト、「SOAフレームワーク」を提供SOAを使ったシステム構築・運用をサポート

» 2010年11月29日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 キヤノンソフトウェアは11月29日、基幹システムを再構築するためのソリューション「SOAフレームワーク」を提供すると発表した。同社自身がSOAソリューション事業で蓄積した技術力をベースに開発したソリューションで、マルチベンダ対応のSOA技術と、最新のWebサービス技術の採用などにより、ユーザーにSOAに対する技術・ノウハウ不足があっても、基幹業務ロジックを再利用した柔軟なシステム構成を効率的に行えるという。

 「SOAフレームワーク」は、キヤノンソフトウェアの親会社であるキヤノンマーケティングジャパンが、自社グループの基幹システムを構築するために開発した「アプリケーションフレームワーク」をベースとした製品。これを基に、キヤノンソフトが同社のSOAソリューション事業における技術、経験を生かして、社外ユーザー向けに開発したという。

 Webサービス技術を使った業務ロジック呼出しを基本構造に持ち、業務ロジックを再利用したシステムの柔軟な構成が可能。J2EEに準拠しているほか、RIA(Rich Internet Application)対応により、画面の操作性と表現力も強化したという。また、アプリケーションからミドルウェアまで、障害原因をドリルダウンできる障害管理、運用管理機能も搭載。これにより、ユーザーにSOAに対する技術・ノウハウ不足があっても、SOAアーキテクチャの設計から、同フレームワークによる基幹業務システムの開発、連携基盤の構築、運用まで、一貫して効率的に行えるという。

 ちなみにキヤノンマーケティングジャパンでは、今回の新しいソリューション「SOAフレームワーク」のベースとなった「アプリケーションフレームワーク」を使って、分散していたシステムの統合、業務プロセスの統一化、データの集中管理など、大幅な効率化を果たし、現在、同グループ社員2万人がそのシステムを利用しているという。

 キヤノンソフトウェアの戦略ソリューション事業推進部 部長の白倉隆雄氏は、「景気低迷や競争激化を受けて、システムの効率化を考える企業が増えているが、その多くがSOAに関心を寄せながら、方法論が分からないために足を踏み出せずにいる。『SOAフレームワーク』は、まさしくそうしたユーザーをサポートするために開発したもの。キヤノンマーケティングジャパンの事例が示す通り、SOAを使ったシステムの効率化から運用まで、優れた信頼性を担保している。大手企業を中心にこれを提案することで、2012年度に30億円の売上を目指したい」と話している。

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