CTCと日本オラクル、生協のECサイト「eフレンズ」を強化「Oracle Coherence」で大量アクセスへの対応を実現

» 2011年02月22日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)と日本オラクルは2月21日、日本生活協同組合連合会(以下、日本生協連)の会員向けEコマース/SNSサイト「eフレンズ」の基盤を刷新したと発表した。2011年夏までに、利用を希望していた会員生協への導入を完了予定であり、これにより最大約140万人規模、年間サイト売り上げ高約1000億円、受注点数3億点を超える大規模ECサイトになる見込みだという。

 「eフレンズ」は、日本生協連の「CWS(coop-web-standard)」と呼ばれるEコマース/SNS基盤を使った全国会員生協の“お買い物サイト”。日本生協連がEコマース/SNS基盤を提供し、全国の会員生協がその機能とリソースを必要なだけ利用できるという「プライベートクラウド方式」で構築されている点が特徴で、各会員生協が、使いたい機能を選び、そのインターフェイスも含めて自由にサイトを構築できる点がポイントだという。

 今回は、買い物における利便性向上やSNSとしてのコミュニケーション機能の拡充などを目的に、CTCがトータルSIerとなって、2009年5月からCWS刷新プロジェクトをスタート。中心的な課題であった「集中アクセスへの対策」として、オラクルのインメモリ・データグリッド・ソリューション「Oracle Coherence」を採用した。

 「Oracle Coherence」は、アプリケーションとデータベースの間に共有メモリ層を作ることでグリッド環境を実現し、ノード数増加によるアプリケーション全体のパフォーマンス低下を改善する製品。処理要件としては1分間に約2500ユーザーの処理を実現することだったが、導入後には1分間に7000ユーザーを処理できる環境を実現。アクセス集中に対して余裕ある対応が可能となったほか、将来的なシステム拡張も行いやすい環境を整えた。なお、今回は日本オラクルが同製品の導入実績を基にしたコンサルティングサービスを提供したことも手伝ってプロジェクトはスムーズに終了。2010年6月からサイトの展開を開始しているという。

 日本生協連では今回の基盤刷新を基に、各地域の生協が特売や数量限定販売のキャンペーンなどを任意に実施したり、買い物ページ上でのクチコミ閲覧機能などを持つSNSシステム基盤を活用したりすることで、「サイトを利用する全国の生協会員の利便性を一層高めていきたい」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ