デバイス系では、リチウムイオンキャパシタ「EneCapTen」や、窒化ガリウムを使用したパワー半導体、窒化ガリウムHEMTなどが展示されていた。
EneCapTenは、富士通グループの電池/パワーデバイス系メーカーであるFDKが開発・製造したもの。EneCapTenは充放電サイクル寿命が長く、大電流の急速充放電に対応できるのが特徴で、通常タイプで10万回、回生電力対応タイプで100万回の充放電サイクル寿命を保証しているという。ブースでは、離島マイクログリッド実証試験用に富士電機システムズと共同開発した太陽光発電システム向けモジュールや、EneCapTenの特徴を端的に示すために作られた、太陽光発電の電力で走行するミニサーキットの模型などが展示されていた。
ブース担当者によると、大電流の急速充放電に対応でき、充放電サイクル寿命も長いEneCapTenは、回生ブレーキの電力を急速充放電したり、エンジン始動に大電流が必要な電気自動車やハイブリッド自動車、アイドリングストップ車などにも適した蓄電デバイスであり、発火や破裂の危険性も少ないことから、2015年ごろから車載用途にも採用されるようになるだろうとしている。
窒化ガリウムHEMTは、富士通研究所が参考出展していたもの。同パワー半導体の特徴は、電源部の発熱による電力損失をシリコントランジスタの約3分の1に削減でき、また、電源部を小型・軽量化できる(ACアダプタでは従来の10分の1)ため、あらゆる電子・電気機器の省電力化や小型・軽量化に寄与できる。例えば、富士通の試算によると、同パワー半導体を国内のデータセンターの全サーバに適用した場合、発熱量低減による空調の省エネ効果も含めて、データセンターの消費電力を12%低減し、CO2排出量を年間33万トン削減できるとしている。
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